即席麺市場で汁なし麺の需要が拡大している。全国小売店の販売データを集計したインテージSRI+によると、2025年(1~12月)は袋麺の「焼そば」が12%増と伸長。カップ麺では「その他」が油そばの躍進で22%増となった。「韓国系」「食べ応え」「ロングセラー」などの商品特長が消費者に支持されている。メーカー各社は今年も長い夏を見据えて商品提案を強化する方針だ。
夏が長期化、韓国勢・日本勢とも注力
汁なし麺の販売動向について、インテージ市場アナリストの木地利光氏は「袋麺の焼そばは韓国風のカルボナーラ麺などが人気。家庭でも手軽に海外の料理を楽しめることが支持されたようだ。カップ麺の油そばは大盛りなどボリューム感を訴求する商品が好調。コスパの良さが支持されたのでは」と分析する。
韓国発の即席麺が存在感を増す中、昨年は農心ジャパンの「辛ラーメン トゥーンバ」がヒット(販売データ上の分類は「焼そば」)。日本では25年2月に袋麺、4月にカップをそれぞれ一部ルートで販売開始。新感覚のピリ辛クリームパスタとしてSNSを中心に話題を集めた。「日経トレンディ 2025年ヒット商品ベスト30」を韓国ラーメンとして初受賞。昨年9月に袋麺を一般ルートに開放し、今春はカップも販路拡大する計画。
同じく韓国勢、三養ジャパンは前12月期の売上が約2割増となった見込み。牽引役は「ブルダック炒め麺」。同社は「韓国のエンタメなどを好む20~30代女性にファンが多い。取引先には売場に新しいお客様を呼び込める商品として期待されている」と手応えを話す。昨年末は「カルボナーラ」などの人気フレーバーが大手コンビニ3社でも販売された。
明星食品は、自社の強みである焼そば・油そばの拡販に注力する一環で、25年夏は「汁なし麺拡大戦略」を展開。なかでも「ぶぶか油そば」が二ケタ増と拡大。極太麺と濃厚ダレが絶妙に絡み、SNSの“飯テロ動画”をきっかけにブレイク、地盤のコンビニからスーパーにも販路が広がった。同社は26年も汁なし麺のラインアップを強化したい考え。
日清食品は発売60年超の袋麺「日清焼そば」が販売好調。パッケージやCMで「神の粉末」ソースをアピールし、ロングセラーの再活性化に成功した。昨年9月発売の「日清焼そばU.F.O.爆盛バーレル 油そば」は圧倒的満足感で人気商品の仲間入り。
東洋水産は、カップ麺の新商品「マルちゃん焼そば」(25年3月発売)が好スタート。チルド麺「マルちゃん焼そば 3人前」でおなじみの味わいを再現したもの。昨年11月には北海道地区で「マルちゃん 袋 やきそば弁当 中華スープ付 5食パック」を発売。同エリアのカップ焼そばで圧倒的に支持される「やきそば弁当」を袋麺で商品化し、発売と同時に大きな話題となった。

