12 C
Tokyo
10.1 C
Osaka
2025 / 12 / 15 月曜日
ログイン
English
飲料系酒類世界トップソムリエが日本酒語る 「チーズ・デザートとのペアリングに勝機」

世界トップソムリエが日本酒語る 「チーズ・デザートとのペアリングに勝機」

 日本酒造組合中央会は、提携先のフランスソムリエ協会や国際ソムリエ協会らの協力を得て、このほど世界各国からソムリエ協会の代表やコンクールの優勝・受賞歴を持つトップソムリエ5名(アジア1名、欧州3名、南米1名)を日本に招へいした。11月22日には「世界から見た日本酒」をテーマにトークセッションを実施。各国での市場動向や今後の可能性などが語られた。

 5氏は海外の高級レストランの現場で日本酒を提供している。フランス出身のLouis Le Conte氏は「チーズと日本酒のペアリングにポテンシャルを感じている」ことを強調。特に「カマンベールやブリ―などクリーミーなチーズには純米大吟醸のようなお酒が抜群に合う」と話した。

 もう1つのおすすめとしてデザートと相性が良いことを紹介。「ワインだとドライになり過ぎてしまう場合、甘さが感じられる日本酒の方が向く。例えばミルフィーユであれば自信を持ってにごり酒とのペアリングをおすすめしたい」と語った。

 トークセッションに先立ち、トップソムリエの5名は11月17~21日の日程で宮城県と秋田県の酒蔵をはじめ、日本文化や発酵技術に関連する施設を訪問。多面的な体験を通じて日本酒の魅力や可能性を深掘りした。

 ベトナムのAndrew Truong氏は「日本の酒蔵は伝統的な技術や考えと近代的な設備やアプローチを共存させていることが印象に残った。ベトナムの日本酒マーケットはまだ新しいので、良い情報と商品を届けていけば市場の未来は明るい」とコメント。

 スペインのGabriel Lucas氏は「欧州のファインダイニングや高給レストランで日本酒は浸透しつつある。ただし純米大吟醸などプレミアム路線が先行しており、個人的には今後カジュアルな層にも手に取っていただけるように広げたい。蒸留酒に比べて低アルコールであることや、普段ワインを飲んでいる層への訴求にチャンスがあると思う」。

 ブラジルのJulio Cesar Kunz氏は「ブラジルでプレミアムアルコール飲料の市場は伸びている。ワインの次に来るクラフト飲料は日本酒だと思う。ブラジルは日系の移民コミュニティがあり日本食レストランは多いが、日本酒はもっと理解してもらうためのアクションが必要。独自の個性を活かして存在感を高めていけるはず」と展望した。

日本酒への理解深める
日本酒への理解深める

関連記事

インタビュー特集

日本酒「獺祭」輸出4割増 「海外トップブランドが強み」桜井社長

清酒「獺祭」の輸出が世界各国で伸びている。前9月期は総売上高213億円(前年比9%増)のうち、輸出実績(未納税含まず)は79億円、実に4割増だった。

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。

J-オイルミルズ春山社長 次元の異なるコスト環境 油脂、価格引き上げ急ぐ

J-オイルミルズの春山裕一郎社長執行役員CEOは、油脂のコスト環境が悪化する中で、「価格改定の浸透を急ぐ」方針をあらためて強調した。

新潟・葵酒造、2年目は自社栽培米で仕込む 「Domaine Aoi」始動 「日本酒になじみがない方にも」青木代表

「飲むことで幸せを感じられるような日本酒を提供していきたい」と話すのは葵酒造(新潟県長岡市)の青木里沙代表取締役。昨年冬、JR長岡駅からほど近い場所に位置する創業160年超の旧高橋酒造から事業を引き継ぎいだ。

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。