日本パインアップル缶詰 開缶研究会を開催 国産・輸入28品を審査

日本パインアップル缶詰協会はこのほど、東京・四ツ谷のスクワール麹町で「パインアップル缶詰開缶研究会」を開催した。

開缶研究会はパインアップル缶詰の品質向上と表示基準等の規格遵守を目的に、昭和35年から続く恒例行事。本年は会員企業や関連団体の関係者など80人以上が参加し、国内外のパイン缶詰の試食審査、品評を実施した。

出品数は国産5品(沖縄産)、輸入品23品(タイ6、フィリピン9、インドネシア8)の計28品。沖縄県農業研究センター名護支所が開発した新品種「沖縄27号」のパイン缶詰が参考出品した。

品評は香味・色沢・肉質・形態・その他の計25点満点で、参加者が1品ずつ試食審査を実施。表示・重量・真空度など農林水産消費技術センターおよび食品環境検査協会の担当官が審査した。

今年度の品評結果(平均点)は、国産品17.25(最高17.76、最低16.43)、輸入品16.59(最高18.26、最低14.68)、トータル16.64。昨年に続き、平均点は国産が上回った。国別平均点は国産17.25、タイ16.35、フィリピン16.58、インドネシア16.78。最高点は輸入品の果実3号缶(スライス)。表示・品質規格は全出品材が適正だった。

竹森三治専務理事
竹森三治専務理事

品評会後の懇親会では、竹森三治専務理事が最近のパインアップル缶詰をめぐる情勢を報告。沖縄産は春先にかけて雨が少なかったことや、猛暑の影響で果実が小さく、歩留まりが低下。これから秋実のシーズンを迎えるが、生育の遅れも懸念される中で、昨年以上の生産確保を目指している状況。一方で、輸入品は世界的なインフレと生産量の減少で、輸入価格が高止まりしている。

協会では沖縄県産パインの生産振興とパインアップル缶詰の消費拡大に努めていく方針。会場では令和7年度のパインアップル缶詰料理コンテストの最優秀・優秀作品の試食も行われた。