日清シスコは、グラノーラの新領域に挑む。
9月15日、「ごろグラ」の新シリーズ「ごろグラ グランミール」を発売してグラノーラ離反層や非喫食者の新規ユーザーを獲得していく。
インテージSRI+によると、グラノーラを含むシリアル市場は2024年度(24年4月~25年3月)、金額ベースで前年比9.1%増の約564億円に達し過去最高を記録した。
この要因には、健康意識の高まりや時短ニーズに対応したことに加えて、温暖化やコメ不足、アサイーボウルの流行などの外部要因が追い風となったとみられる。
シリアルがコメやパンに次ぐ第三の朝食として定着の兆しがみえる中、「欧米に目を転じると、日本はまだまだ」と指摘するのは山田道明社長。

8月4日、発表会に臨み「欧米ではグラノーラやミューズリーが日常的に朝食として定着しているが、日本はそこまでには至っていない。日本は欧米に追い付けるポテンシャルがある。朝食文化を啓発し、市場規模を倍ぐらいにしたい」と続ける。
この思いを込めて開発されたのが「ごろグラ グランミール」。
オーツ麦100%の生地を高温で焼き上げ、穀物の香ばしさや噛みしめる食感が楽しめるグラノーラに仕立てられている。
甘さは「ごろグラ 贅沢果実」の3分の1以下に抑えた点が大きなポイントとなる。
同社が20~59歳の男女4320人に昨年実施したWEB調査によると、グラノーラ喫食者は全体27%に留まっていることが判明。離反や未喫食理由には“味の飽き”や“甘さ”が浮き彫りになった。
甘さを抑えることで、離反層の呼び戻しや未喫食者の獲得を狙う。
「グラノーラに対してスナックやお菓子っぽいイメージを持たれているお客様は少なからずいらっしゃる。長い間食べ続けるには、その甘さがネックになり手が伸びにくくなる。『ごろグラ グランミール』は甘さの表現にかなり注意をして仕上げた」と語る。
オーツ麦100%の生地を使用しているものの、中身はオートミールと似て非なるものだという。
「オートミールはオートミールで根付くと思っている。オートミール市場に対しては引き続き『新ごはん』を提案していく」と述べる。
日本市場は、小麦などのパフが入ったサクサク食感のグラノーラが席巻している。その中で、海外で定着しているオーツ麦主体の新商品で新規ユーザーの取り込み、市場の活性化を図る。
「主流であるパフ系からの流入を図るのではなく、パフ系をさらに強化しつつ、素材系のグラノーラで新たなユーザーを呼び込みどれだけ純増できるかが市場拡大のポイント。日本も食が多様化している。選択肢の1つに食物繊維が豊富で、鉄分やカルシウム、ビタミンがバランスよく摂れるグラノーラを選んでいただきたい」と力を込める。
「ごろグラ グランミール」は、オーツ麦生地に蜜をかけて焼き上げ、ほどよい大きさに固めている。そのままの喫食に適しているほか多様なアレンジに対応する。
「オーツ麦主体の生地にナッツペーストを練り込むことで優しい甘さで香ばしい味わいに仕上げた。独自のノウハウで、試行錯誤を重ねてパサパサせずに少し湿潤性がある。牛乳や豆乳をかけてもよく、クリーミーなヨーグルトなど少し粘性があるものに好適。優しい甘さのため自由にアレンジでき、焼き固めてお菓子を作ったり、サラダと混ぜたりスープのクルトン代替にもなりうる」と胸を張る。
関根友代マーケティング部第1グループブランドマネージャーも「アサイージュースをかけていただくと、流行のアサイーボウル風にしていただくこともできる」と呼びかける。
コミュニケーションターゲットは、20‐30代の単身・共働きDINKS女性。
「素材のおいしさを感じられるオーツ麦主体のグラノーラが、現代の20‐30代の素材へのこだわり、ヘルシー、SNS映え+ご自愛といった需要を開拓できる可能性がある」と関根氏は話す。
ラインアップは、「いちごとカシューナッツ」と「マカダミアとアーモンド」の2品。
2品共通でオーツ麦100%の生地を使用し「いちごとカシューナッツ」には、具材として大きめのスライスいちご・カシューナッツ・パンプキンシード、「マカダミアとアーモンド」にはマカダミアナッツ・アーモンド・パンプキンシードが含まれている。
パッケージは2品とも「グラノーラを主食として楽しんでいただきたいとの思いを込めて王道感と先進性を合わせ持ち素材感を強調したデザインに仕立てた」。
コミュニケーションは、インフルエンサーを活用したマーケティング施策を予定している。