ヤオコー「ブルーゾーンHD」始動 文化堂とクックマート子会社化

ヤオコーは10月1日付でブルーゾーンホールディングスを設立。グループ全体の経営管理機能と業務執行を分離し、HDの傘下にライフスタイル業態のヤオコー、せんどう、ディスカウント業態のエイヴイ、フーコットなどの事業会社が連なる持株会社制に移行した。

また、東京都・神奈川県に19店舗を展開するスーパーマーケット「文化堂」の全株式を取得し完全子会社化するとともに、東三河・浜松エリアで12店舗を展開するローカルスーパー「クックマート」を展開するデライトホールディングスの株式70%を取得し連結子会社化すると発表した。

ヤオコーは、長期目標のグループ500店舗、売上高1兆円が視野に入るなか、HD体制に移行。同じ志を持つグループの仲間を増やし、さらなる成長実現を目指す。HDのもとで、各事業会社が親子関係ではなく兄弟関係で互いの強みを学び、切磋琢磨し、次世代の経営人材育成と店舗開発や商品開発、システム・物流などグループ共通機能の最大活用を進める。

HD名には「地域のすべての人が健康で毎日を楽しめる世界(ブルーゾーン)」実現への想いを込め、「画一的な店舗形態・企業運営ではなく、独自の強みを持った個性的な集団を目指す」とした。

こうした考えのもとで経営理念や価値感を共有し、新たに文化堂(25年5月期/売上高278億円)、デライトHD(25年3月期/同354億円)のスーパーマーケット2社を子会社化することで合意した。両社とも地域に根差した優良ローカルスーパーで、ブルーゾーンHD参画のインパクトは大きい。

「単なる売上規模拡大・経済合理性の追求のための子会社化ではなく、日本の食文化や食生活、地域社会に根差した価値を大切にする企業集団を作り、持続可能な食のあり方を創造し、ブルーゾーンの実現を目指していきたい」(ブルーゾーンHD)。

食品スーパーマーケット業界は人口減少と少子高齢化、業態を超えた企業間競争が激化し、業界再編の動きが加速している。

人件費や店舗コストの上昇、節約志向の高まりなど経営環境が厳しさを増す中で、ヤオコーが立ち上げたブルーゾーンHDは、ローカルスーパー再編の新たな核となる可能性も出てきた。