日清食品 独自の栄養最適化テクノロジー 「Toyota Woven City」で実証実験スタート 未来の食事メニュー開発

「ハンバーガーで未病対策!?」。日清食品は独自の栄養最適化テクノロジーにより、そんな未来の実現を目指している。

同社は9月25日に開業した「Toyota Woven City」(静岡県裾野市)に参画。おいしさと33種類の栄養素の完全なバランスを追求した「オリジナルハンバーガーセット」「魚介トマトソースパスタ」「魯肉飯」など約50メニューを提供できる体制を整えた。その「最適化栄養食」がWell-beingに対する有効性などの実証実験を行う。

「Toyota Woven City」は、トヨタ自動車、ウーブン・バイ・トヨタがモビリティの新たな価値やさらなる安全安心を追求するため、ヒト・社会インフラと三位一体となり、実際の生活空間で様々な実証実験を行っていくもの。当初の住民は数世帯と小規模からスタートし、近い将来には300人規模まで増える見通し。26年度以降はビジターの受け入れも始める。

日清食品は「好きなものを、好きなときに、好きなだけ食べられる」ことがWell-beingにつながるカギであると考え、すでに数多くの食事メニューを最適化栄養食として開発。一般の小売用・業務用に展開しているが、「Toyota Woven City」向けには約15種類の専用メニューを用意した。

注目は「オリジナルハンバーガーセット」だ。食べ応え抜群のハンバーガー、ホクホク食感のフライドポテト、そしてレギュラーコーラのセットで547k㎈、食塩相当量2.8g、飽和脂肪酸3.4gを実現した。

実証実験を進めるにあたり、現地住民を対象としたコミュニティ「FOOD INNOVATORS CLUB」を立ち上げる。当面は1か月に数回程度の試食イベントを実施。おいしさやメニューの評価に加えて、双方向で栄養と健康などを学びながら、未来に向けた最適化栄養食の開発に生かしていきたい考えだ。

同社は9月25日に現地で取材対応し、「住民の方々から試食を通じて心身への有効性にかかわる情報やデータを得られることは非常に意義深い」とした上で、「まずは最適化栄養食を知って食事の選択肢に入れてもらえることを目指す。そして街の規模やニーズを見ながら徐々に提供する頻度を上げていく。満足度の高いメニューを楽しく選んでいただけるようにしたい」と話した。