ひかり味噌 高収益モデル確立へ 価値提供とコスト競争力

ひかり味噌は来期(2026年9月期)に向けた重点戦略として、商品開発における価値提供とコスト競争力の実現、国内外における「CRAFT MISO 生糀」ブランドの育成、海外事業の拡大などに取り組む。林恭子専務取締役コーポレートマーケティング本部長が7月23日に都内で開いた25年秋冬新商品発表会で明らかにした。

林専務は新商品発表会で事業概況を報告。今期(25年9月期)の売上高について前年比7%増の229億円、みそ出荷量について同2%減の4万500tを見込んでいることを明らかにした。みそ出荷量に関しては、全国の出荷量が減少する中で、順調に伸ばしてきたが、今期は前年を若干下回る見込み。「理由として最も大きいのが値上げ。単価が上がり、金額は数量の落ち込みをカバーできたが、数量は少し落としてしまった」とした。

同専務は4つのビジョンごとに来期に向けた重点戦略にも言及した。特に「高収益モデルの確立」について「商品開発で価値提供とコスト競争力を実現したい」と強調。「原料高騰でどうしても価格改定、値上げを実施せざるを得ない。それをお客様に受け入れていただいてきているが、それは価値の向上があってこそ、その価格を受け入れていただいているということ。価値提供、価値を高める活動を絶えずしていかないといけない」とした。

続けて同専務は、「(原料高騰などに対しては)会社の中で、もっと効率化し、吸収していかないといけない。そこはやり切れていない部分があると認識している。原料高騰に負けないようにコスト競争力を上げていくことが、これからさらに必要になってくる」と述べた。

「新たな挑戦による持続的な成長」について、「円熟」ブランドに続く第2の柱として、国内外で「CRAFT MISO 生糀」ブランドの育成に取り組む考えを表明。「真のグローバル企業の実現」について、海外事業を拡大する中で、輸出でナンバーワンの地位を確固たるものにする考えを示し、「バリューチェーンのすべてで海外ビジネスを支える体制にしていく。経営資源の戦略的配分を海外に寄せていく」と語った。