真夏の東京・渋谷に「雪の宿」体験の場 オリジナルコールドドリンクも無償提供 ブランディングと顧客接点拡大が目的 三幸製菓

 三幸製菓は8月7日から10日の4日間、渋谷モディ(東京都渋谷区)で「雪の宿」ブランドの世界観が楽しめるイベントを開催している。

 ブランディングと顧客接点拡大が目的。

 7日、取材に応じた足立和彦執行役員マーケティング統括部長兼マーケティング部長は「『雪の宿』は2027年に50周年を迎えるブランド。お客様に愛していただいてここまでやらせていただいた。今後はお客様との接点を増やして、ワクワクする楽しさをお届けしたい」と語る。

イベントの開催は、新コーポレートスローガン「Make Wow Moments.つくろう、ワォ!と楽しくなる瞬間。」の一環でもある。

 「おいしさで幸せになっていただくのが大前提だが、おいしさ以外にも楽しさ、ワクワク、ドキドキといった幸せもあると思うため、お客様に知っていただくきっかけとして公式キャラクターの『ホワミル』と「チャミル」の露出にも力を入れている」と説明する。

「雪の宿」と「雪の宿」の味わいをイメージしたオリジナルコールドドリンク
「雪の宿」と「雪の宿」の味わいをイメージしたオリジナルコールドドリンク

 イベントは『8.10(やど)で覚えてね!「雪の宿の日」POPUPステーション』と称し、「雪の宿」のサンプリングのほか、「雪の宿」の誕生秘話のパネル展示、「雪の宿」の味わいをイメージしたオリジナルコールドドリンクを数量限定で無料提供している。

 雪を踏みしめる感触が体験できる雪原をイメージした床や“かまくら”をイメージしたフォトスポットでも「雪の宿」の世界観を演出。

 キャラクターを通じたファンづくりとしては、「ホワミル」の公式Xアカウントをフォローした人にイベントにちなんだ「ホワミル」の「雪の宿」オリジナルステッカーを先着順の数量限定でプレゼントし、「雪の宿」を含めた三幸製菓商品の公式カプセルトイを販売している。イベントは、4日間で7000人の入場を予定している。

“かまくら”をイメージしたフォトスポットと足立和彦執行役員マーケティング統括部長兼マーケティング部長
“かまくら”をイメージしたフォトスポットと足立和彦執行役員マーケティング統括部長兼マーケティング部長

 米菓市場で手薄とされる若年層との接点強化を図るべくイベント会場は渋谷を選定した。

 「ご年配のお客様が多いのが米菓業界の課題。少し若い世代にも、お煎餅に親しみ、当社や『雪の宿』のことを知っていただき、将来のお客様につなげていきたいという思いから渋谷を選ばせていただいた。来場者の中には外国人もおり、世界の人にも知っていただきたい」と期待を寄せる。

 ブランディングや顧客接点の拡大は将来の成長を見据えた動きとなる。

 「ブランドを太くして、将来のお客様の獲得につなげていきたい。外食産業などとコラボさせていただき、今までのお煎餅の『雪の宿』ではない姿を見せていきたい。オリジナルの20枚入り『雪の宿』(雪の宿サラダ)はスーパー・ドラッグストアといった限られたチャネルにしか並べられていないが、今後はコンビニ・百貨店・お土産物にも『雪の宿』ブランドを並べていきたい」と力を込める。

ドリンクコーナー
ドリンクコーナー

 具体的には、昨秋から稼働しているグループ会社のみゆき堂本舗の専用工場で「雪の宿」を冠した大福や笹団子などで新販路を開拓していく。
 その一方で、「雪の宿」の米菓派生商品は数を絞り込んでいく。

 イベントは今後も実施していく。

 「これまでリアルでイベントをさせていただくことはなかったが、今後は力を入れていきたい。お客様やファンの方々と触れ合う機会を増やしていきたい」と意欲をのぞかせる。