枝やツルからもぎとれるのは、果物ではなく森永製菓の「inゼリー フルーツ食感」(以下、フルーツ食感)シリーズ――。
こうしたイメージの、同商品の消費者向けサンプリングイベントが、6月27日、「渋谷モディ」(東京都渋谷区)で開催された。イベントは28日も開催される。
この日、会場で取材に応じた森永製菓のマーケティング本部健康マーケティング部ゼリーカテゴリーの水谷愛氏は「『フルーツ食感』は、フルーツ味のゼリーやフルーツの入ったゼリーではなく、ゼリー自体が果肉のような食感をしている。この驚きの食感を多くの方に体験していただこうと、もぎとる体験を企画した」と語る。
独特の食感を伝えることで、若年層の取り込みとフルーツ代替需要の獲得を図る。

「若年層の間で、グミなど食感に特徴のある食品に関して発話が生まれやすく注目が集まっていることもあり、イベントでは食感を前面に押し出した。これまでゼリー飲料に親しみがなかった方にも、フルーツの代替として食べていただきたい」と説明する。
体験イベントでは価値訴求に加え話題化も狙い、20代前後の女性をメインターゲットに、人通りの活発な渋谷を会場に選んだ。
会場にはフォトスポットやSNS投稿で参加できる抽選会も用意し、2日間で「inゼリー フルーツ食感 〈もも〉」と「同 〈巨峰〉」を計1万5000個配布する。

「フルーツ食感」は2021年3月に発売。健康志向の女性のおやつ需要やデザート需要を獲得し、24年4月から25年3月までのインテージSRI+推計販売規模は、2品で計20億円規模に成長した。
「inゼリー」ブランド全体の活性化にも寄与している。
「一日の終わりにゆっくりしたい時や仕事中に一息つきたい時など、『inゼリー』ブランドの他の商品とは異なる飲用シーンがとれている。女性はゼリー飲料を代理購入することも多いが、『フルーツ食感』は自分のために買われることが多くすみわけができている。ゼリーで果実の食感が作れているのはこの商品だけで、他社とも差別化を図れている」と胸を張る。
コミュニケーションでは、アイドルグループ「なにわ男子」の道枝駿佑さんを起用した新TVCMを6月16日から放映。
放映開始以降の状況については「一人二役を演じていただいたことで、2品とも訴求できている。道枝さんのファンの方からも好評で、役柄への感想や“おいしそう”といったコメントも多く寄せられ、話題性が高まっている」と述べる。
今後も積極的なコミュニケーションを検討している。
