「世界のKitchenから ソルティライチ」日常の水分補給に商機 2024年出荷数量は前年比1割弱のプラス

 キリンビバレッジは「世界のKitchenから ソルティライチ」で日常の水分補給の獲得に商機を見出す。

 同商品の2024年出荷数量は、日常の水分補給を意識して商品に磨きをかけたことが奏功して前年比1割弱のプラスを記録した。

 「ソルティライチ」が誕生したのは2011年7月。当時、東日本大震災の影響で夏場の電力不足や冷房の使用制限が取り沙汰された中、おいしく熱中症対策できる飲料として発売された。

 昨年、改めて原点回帰を図り、パッケージを刷新して素材のおいしさを楽しみながら熱中症対策ができるという特長を訴求した。

 主力アイテムの500mlPETはラベルの透明な部分を増やして、すっきりとしたおいしさの印象を高めた。

 その手応えについて、5月29日、取材に応じた橘美佳マーケティング部ブランド担当主務は「これまで透明な部分が少なく、容器底からキャップ天面近くまで白のフルシュリンクラベルで覆っていた。パッケージリニューアルによって日常的な水分補給のシーンや熱中症対策シーンにより多くの方に飲んでいただけるものになった」と語る。

 昨年、パッケージでより強調して表示した「おいしく、こまめに塩分・水分補給」の文言をも奏功した。「よりゴクゴク飲めるものにアップデートできた」という。

 昨年の動きを加速させるべく、水分補給・熱中症対策訴求において日常に重きを置く。

 「スポーツドリンク市場の24年販売数量は微減と推定される中、『ソルティライチ』の出荷数量は1割増となった。これには、大量に汗をかく本格スポーツのシーンが減っている中で、日常のちょっとした外出時や買い物時のおいしく熱中症対策したいシーンを獲得できたことが寄与したと考えている」との見方を示す。