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2025 / 11 / 16 日曜日
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加工食品菓子コメの粒を潰さないように蒸し上げる独自製法を導入 「おすきなひとくち」の醤油味から新提案 金吾堂製菓
2025台湾食品調達商談会 in Osaka by 台湾貿易センター

コメの粒を潰さないように蒸し上げる独自製法を導入 「おすきなひとくち」の醤油味から新提案 金吾堂製菓

 金吾堂製菓は、米菓の新規ユーザーに向けて、今年3月に立ち上げたうす焼きタイプの米菓「パリッと煎」に加えて、同じくうす焼きタイプの「おすきなひとくち」ブランドからもアプローチする。

 3月3日、「おすきなひとくち」から「米つぶ醤油煎餅 ザクッと濃い醤油」を新発売した。
同商品は、既存商品「米つぶ焼煎餅ザクッと旨しお」と同様に、コメの粒を潰さないように蒸し上げる同社独自の「つぶ蒸かし製法」で製造し、噛むほどにコメの風味が楽しめるように仕立てられている。

 取材に応じた碓田憲司常務取締役商品企画開発室室長は「『おすきなひとくち』では基本的に、お米を潰し粉にしてお餅に固めて、味付けでバラエティ感を打ち出しているが、『米つぶ醤油 ザクッと濃い醤油』と『米つぶ焼煎餅ザクッと旨しお』の醤油と塩に関しては、フレーバーではなく、生地にこだわって本格的なお煎餅として打ち出したほうが付加価値を出せると考えた」と説明する。

 「米つぶ醤油 ザクッと濃い醤油」の味付けは、3種類の醤油をブレンドした特製の濃い醤油だれが凸凹した生地にしっかり付き濃厚な味わいに仕上げた。

 味付け方法も見直し、付着ムラを減らすことで安定生産を可能とした。

 パッケージは店頭での見栄えを考え、醤油をイメージした黒紫色を採用した。
 「シンプルながら、棚からお客様に語りかけるようなメッセージ性の強い新デザインパッケージ」と力を込める。

 「おすきなひとくち」は、自由な時間・携帯性・保存性の想起に重きを置いたブランド。ファスナー機能を付与したスタンディングパウチを採用し「お好きなときに、本格的な煎餅を食べていただくことを体現した商品」という。

「堅しお」
「堅しお」

 低重心・筋肉質の方針のもと商品の集約にも着手する。

 「月と米 しょうゆ」と「月と米 しお」の2品を終売し「堅しお」を3月17日に新発売する。
 「月と米」は堅焼煎餅であることから、「月と米 しょうゆ」のニーズは「厚焼 しょうゆ」が代替して対応し、塩味の堅焼煎餅に集中した。

 「堅しお」は、帆立・昆布・鶏のだしと、沖縄の海水塩「青い海」で味付けをした。「青い海」は、沖縄県糸満市沖合2000mから海水を取水し、じっくり煮詰めて作った塩となる。塩味や苦味、甘味などの味のバランスが良く、素材の味を邪魔しないとめ幅広い食材へ利用できるという。

 製造工程にも磨きをかけた。
 焼成方法に留まらず焼成前の生地水分から見直し、より香ばしく歯ごなれのよい食感に仕上げた。
 「『月と米 しょうゆ』をより食べやすく、間口(喫食者層)の広い商品に変更した。『厚焼』のような本格的な食感が楽しめる」と胸を張る。

 2月には「ほろほろ焼 甘口醤油だれ」をリニューアル発売する。味付けの醤油を変更し「お醤油とだしの旨みを最後まで味わえるようにした」。
 具体的には4種類の本醸造醤油をベースに、7種の国産だし原料(かつお節、うるめ節、まぐろ節、煮干、真昆布、日高昆布、焼きあご煮干)の旨みを隠し味に加えた醤油調味液に変更した。

 「ほろほろ焼」は、生地の表面にひびを入れながら焼き上げる「ひび入れ製法」を採用し、揚げ煎のような食感を焼き(ノンフライ)で再現したブランド。ひびを入れることで、食感だけなく、調味だれが浸み込んだ独自の味わいを表現している。

 前期(9月期)は、「厚焼」「ほろほろ焼」「パリッとタイム」「おすきなひとくち」の主要4ブランドの売上が軒並み前年を上回った。「厚焼」「ほろほろ焼」「パリッとタイム」は昨秋、出荷価格で4%~10%程度の値上げを実施したことも売上拡大に寄与した。

 今期も「「厚焼」「ほろほろ焼」「パリッと煎」「おすきなひとくち」の主要4ブランドの強化をしつつ、既存品とのバランスをみながら新商品開発に注力していく」と意欲をのぞかせる。

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