日本気象協会 biz tenki
飲料系飲料サントリー「伊右衛門」緑茶...

サントリー「伊右衛門」緑茶飲料ならではの価値追求 ブランドの原点である“京都”をテーマに、一息つきたいときの飲用を徹底訴求

 サントリー食品インターナショナルは3月4日にリニューアル発売した「伊右衛門」本体(緑茶)で、緑茶ならではの価値を追求して売上拡大を図る。

 本体は昨年、緑茶飲料の同質化から脱却し止渇飲料から嗜好飲料の転換を図るべく本体史上最高レベルの濃さに進化。これによりコアファンなどから味わいや濃さで一定の評価を得る一方で、間口(飲用層)の広がりで課題を残した。

 取材に応じたSBFジャパンブランドマーケティング本部の廣田佳代子氏は「緑茶飲料を取り巻く環境をみると、昔からある麦茶や烏龍茶などに加えて、最近ではジャスミンティーやルイボスティーが定着化し、さまざまな茶種の飲料がある。その中で、緑茶の濃さに特化した訴求は狭く、もう少し無糖緑茶市場全体に視野を広げるべきであった」と振り返る。

 緑茶飲料市場内でも競争が激化。昨年は止渇ニーズや値頃感にも対応した競合ブランドが伸長した。

廣田佳代子氏
廣田佳代子氏

 止渇ニーズへの対応やパーソナルサイズの大容量化については「水分補給ニーズへの対応は大事なことだが、麦茶や水などがある中で、緑茶の価値が希薄化してしまう恐れがある。当社としては緑茶ならではの価値をできる限り伝えていきたい」との見方を示す。

 緑茶飲料ならではの価値を追求した結果、導き出されたのが、一息つきたいときの飲用シーン。「緑茶は一息つきたいときに飲むと、心地よく、少しだけ心がリセットされる。『伊右衛門』だからこそ、ブランドの原点である”京都”を掛け合わせることで、忙しい毎日に余白をもたらすような、そんな価値を提供したい」と述べる。

 「伊右衛門」は、創業200年以上の歴史をもつ京都の老舗茶舗「福寿園」の茶匠が厳選した茶葉を使用していることから、中味も京都で昔から親しまれてきたお茶の味わいを追求した。
中味は独自開発した茶葉を新たにブレンドし、香りが特徴の石臼挽き抹茶を使用することで複層的な香り高さを打ち出した。一番茶の比率も高めて、組み合わせる茶葉の種類も増やした。

 「今回のリニューアルではお茶らしいふうみと飲み心地の良さの両立にこだわった。単純に濃さの引き算ではなく、お茶らしさを解釈し直し、香り高くてまろやかな味わいが感じられるようにした。旨みや甘みも強まっている」と胸を張る。

和紙のようなテクスチャーをつけているのも特徴
和紙のようなテクスチャーをつけているのも特徴

 パッケージは、これまでの緑を基調としたデザインから、白を基調とするデザインへと変更して、初代「伊右衛門」の竹筒をモチーフとした新シンボルマーク「京竹(みやこだけ)」を編み出し、ラベル上部に配置した。

 基調とした白は、京都の静やかさや心の余白を表す色として採用した。これにより、京竹マークや茶碗シズルを目立たせている。“京都のいいもの”として包装紙や熨斗(のし)なども想起させるべく、和紙のようなテクスチャーをつけているのも特徴。

 コミュニケーションは、ティザー広告として、お笑いコンビ「バッテリィズ」(エースさん、寺家さん)が出演する新WEBCMを公開。これに伴い、新「伊右衛門」1ケースをプレゼントするSNSキャンペーンを3月3日まで実施した。

 新WEBCMには「複雑になりすぎて、どうにもならないことがたくさんある世の中で、くよくよ考えても仕方がなく、一息ついて元気になっていただきたい」との思いを込めた。

奈緒さん・青木柚さんを起用した新TVCM「心に、京都を。春。」篇
奈緒さん・青木柚さんを起用した新TVCM「心に、京都を。春。」篇

 コミュニケーションの本丸となる新TVCMは、「伊右衛門」の新たな顔として、奈緒さんと青木柚さんを起用した。

 3月3日に放映開始した第一弾の「心に、京都を。春。」篇では「春、都会で働く男性(青木さん)が久々に京都を訪れ、地元で陶芸家として活動する大学時代の先輩(奈緒さん)と再会し、桜舞う縁側で一緒に『伊右衛門』を飲みながら、静かなひとときを過ごす姿を描いた」。

 CM楽曲には、原由子さんの名曲「花咲く旅路」を採用。「心地よさが感じられる和の旋律や情緒あふれる歌詞が『伊右衛門』で伝えたいことと物凄く合う」と期待を寄せる。

 「伊右衛門」ブランドの最注力商品は本体。次いで注力していくのが「伊右衛門 濃い味」。同商品は2022年、茶カテキンの力で内臓脂肪を減らす機能性表示食品としてリニューアル発売して以降、好調に推移している。昨年も「濃い系市場は緑茶(本体)の伸びを上回って成長した」とみている。

招き猫をデザインしたケース
招き猫をデザインしたケース

 今年については「『本体』と『濃い味』とセットにして店頭に並べていただくと相乗効果が生まれることから、引き続きセットで押し出していく」と述べる。

 そのほか「ほうじ茶」を3年ぶりに刷新し「玄米茶」を新発売する。

 販売施策としてはブランド全体で、拡大傾向にあるケース販売を強化していく。「ラベルの裏面にデザインされている招き猫をケースにもかわいらしくデザインして購買を促進していく」と語る。

関連記事

インタビュー特集

ごま・きな粉の真誠 冨田博之社長 新領域への挑戦果敢に 「おつまみ」で新たな売場開拓

ごま・きな粉の真誠(愛知県北名古屋市)の25年12月期連結売上高は104億6100万円となった。前年をやや割り込んだものの、価格改定や相場変動で一部原料ごまの価格が軟化したことなどから粗利が改善、営業増益とした。

生産現場が潤う農業を 安定供給と安定価格実現 アムハイドロ・パシフィック ポール・マイルズ社長

気候変動や耕作地の減少、後継者不足など農業が抱える課題は多い。農作物を扱う流通・小売業にとっても、天候に左右されやすい不安定な供給量とそれに合わせた価格の変動など、問題点はいくつも挙げられる。

“お米の新たな発酵食品” 代替肉CoMeat®需要創出に挑む 跡部季子取締役

プロテインクライシスが叫ばれる昨今、キノコなど糸状菌から作られる代替肉(マイコプロテイン)が注目を集めている。2021年設立のアグロルーデンス(佐賀清崇社長)は、お米と麹で作った新たな発酵食品CoMeat®を展開。

Mizkan フルーティス刷新(後編) 「新・果実体験」を提供 リフレッシュしたい時に

Mizkan(以下ミツカン)は今春、食酢飲料「フルーティス」ブランドをリニューアルした。家庭用では業務用で人気の「シャインマスカット」「あまおう」「白桃」を、家庭用・業務用の双方で「ざくろ」を新発売した。

Mizkanフルーティス刷新(前編) 果実のおいしさが主役の新製法 マーケティング本部 田中菜々美氏に聞く

Mizkan(以下ミツカン)は今春、食酢飲料「フルーティス」ブランドをリニューアルした。