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その他決算・業績キユーピー、過去最高益達成 25年度は体質強化の試金石に

キユーピー、過去最高益達成 25年度は体質強化の試金石に

キユーピーは24年度決算で過去最高益を達成。25年度はコストオンを打ち返し、さらなる成長に向け経営資源を投下する。同社の24年11月期連結業績は売上高4840億円(前年比6%増)、営業利益343億円(74%増)、経常利益369億円(80%増)、純利益214億円(63%増)で着地し、鳥インフルエンザの感染拡大によるエッグショックや原材料・資材、物流、動力などのコスト高、消費環境の変化に苦しんだ23年度から回復を遂げた。

業績回復の主な理由は、海外成長と国内の収益改善。海外では中期経営計画の経営指標である売上高伸長率(10%増)を上回る11%増に(現地通貨ベース)。利益構成比は3割超まで上昇した。中国、東南アジア、北米での事業の伸びが想定を上回り、中国ではゼロコロナ政策から回復、北米ではNB品の拡大などが利益拡大にも貢献した。これにより海外事業は売上高922億円(18%増)、事業利益144億円(39%増)となった。

国内では市販用が売上高1867億円(5%増)、事業利益143億円(44%増)。調味料の新価格定着や惣菜販売の回復のほか、主原料影響の緩和や惣菜・調味料の基幹商品の拡大が増益につながった。業務用は売上高1701億円(3%増)、事業利益120億円(189%増)に。調味料、卵製品の価格改定や外食需要と鶏卵供給の回復が寄与した。

25年度は売上高5050億円(4%増)、営業利益345億円(前年並み)、経常利益366億円(1%減)、純利益292億円(36%増)、ROE9.4%(2.1%増)、海外伸長率15%増(現地通貨前年比)を目指す。主なコスト高の要因となった逆風として64億円の減益要因を見込んでいるが、24年から取り組んでいる「稼ぐ力」で前年分プラス147億円を増益する計画。

中期経営計画では、経済価値と社会価値を両にらみし、経済価値ではポートフォリオ変革と生産性向上を推し進め、国内事業の構造改革で収益を追求。調味料、タマゴ、惣菜・カット野菜では収益性の高い商品に集中する。調味料やソースでは具材感や味づくりの独自技術を駆使することでサラダ市場から領域を拡大。家庭用ドレッシングでは容量施策や健康領域の展開だけでなく、主力商品でフレーバー展開を進める。またフードサービス事業では外食産業の人手不足解消ニーズへの対応を一層深化させる。

成長分野ではグローバル展開を加速させ、稼働を開始した東南アジア2工場(インドネシア、タイ)と5月稼働を予定している北米・テネシー工場や北京・杭州工場の増産体制が整うことにより販売強化につなげる。経済価値と並ぶもう一つのテーマである社会価値も追いかける。「食と健康への貢献」「環境への配慮」「人的資本の価値拡大」に取り組む。25年は「キユーピーマヨネーズ発売100周年」となるが、キッチンカーでマヨメニューを提供するキャンペーンなどや、世界で親しまれている調味料を融合した「世界を味わうマヨ」を限定発売。海外ではブランドの価値向上に注力し、新たな食体験の可能性を広げる。

髙宮満社長は1月10日に開かれた会見で「25年度は中計の一年目となり、当社グループにとって非常に大切な年。昨年度までにつけた力や成果が体質として身についているかという意味でも重要な一年になる」と決意を語っている。

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