「一番搾り」にホワイト 「晴れ風」は業務用も ビールユーザー拡大へ攻勢 キリン

昨年は「キリン一番搾り」「同 糖質ゼロ」をリニューアル発売。また4月に発売した17年ぶりのスタンダードビール「晴れ風」は年初目標を大きく上回り好調に推移するなど、定番系のビールで好調が目立つキリンビール。

一方でクラフトビール「スプリングバレー」ブランドは、昨年は3割超の大幅減と苦戦中だ。昨秋に発足した専任の事業部のもと、クラフト市場活性化にも中長期的に腰を据えて取り組む。

今年の戦略テーマは引き続き「全員でお客様価値の創造にチャレンジ」。酒のポジティブな面を伝えるとともに、アルコール問題に対する酒類メーカーの社会的責任を果たす取り組みの両面で未来に向けたアクションを展開。さらに顧客価値の創造に向けたブランド育成に力を入れる。

「26年には(ビール類の)酒税が一本化され、カテゴリー構成が大きく変わってくる。酒税改正をはさむ27年までの3年間が大変重要。お客様に価値あるポートフォリオを提供するため、新たなイノベーションにチャレンジしていきたい」(16日の会見で堀口英樹社長)。

主力ビール「一番搾り」では、新規ユーザー獲得によるビールカテゴリー拡大を目指す。話題となりそうなのが、4月15日から発売する「一番搾り ホワイトビール」だ。

苦手な人でも飲みやすく。「一番搾り ホワイトビール」登場 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
苦手な人でも飲みやすく。「一番搾り ホワイトビール」登場

普段ビールを飲まない人には「苦く重たい感じがして苦手」「自分向けではない」と感じる人が多いことが同社の調べで分かったことから、一部使用した小麦麦芽とともに無濾過製法を採用することで飲みやすい味わいを実現したという。

昨年に発売した「晴れ風」でも、これまでビール類を飲まなかったユーザーの新規獲得に勢いを得て、業務用に瓶・PETの展開を4月から開始。初年度1万5000店を目標に導入促進を図る。

家庭用の缶では「一番搾り」とのカニバリは想定内にとどまったといい、業務用でも両ブランドを持つことを強みに飲食店への貢献を図る考えだ。花見や花火など日本の風物詩継承を支援する「晴れ風ACTION」の取り組みも拡大。売上げ一部寄付の対象自治体を倍増させる。

「スプリングバレー」(SVB)ブランドで市場活性化の旗振り役を務めるクラフトビールは、販売ボリュームの面で苦戦が続く。昨年に発足したクラフトビール事業部のもと、26年10月の酒税改定をブレイクスルーポイントとすべく他ブルワリーなどとも連携した取り組みを強化する。

SVBはブランド初の大規模リニューアルを敢行。新ロゴの導入とともに、パッケージも全面的に刷新する。コミュニケーション、営業活動を含めた総合的な活動で「クラフトビールのゲートブランド」として、新しいビールの楽しみ方を提案する。

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