農水相に江藤氏 食料安保確立へ意欲 合理的な価格形成を

11月11日に発足した第2次石破内閣で、農林水産大臣に自民党衆院議員の江藤拓氏が就任した。

12日の初登庁後に会見した江藤氏は、先ごろ改正された食料・農業・農村基本法に関して「その理念を実現するため、まずは基本計画を策定する。今まさに日本の農政は大転換が求められている。今後5年間を農業構造改革集中対策期間と位置づけ、計画的・集中的に必要な施策を講じることで強い生産基盤と人材の確保を図る」と表明。

食料安全保障の一環として改正基本法が掲げる、食料の合理的な価格形成の必要性を強調。フランスの仕組みを参考に仕組みの策定を進める方針を示した。

そのうえで「農地面積が少なくなってきており、耕作放棄地を合わせても食料安保確立には足りない。それを業界だけでなく、国民にいかにご理解いただけるかが法律の実効性確保のカギ。難しい作業だが、野党のご意見も聞きながら良いものにしていきたい」との考えを述べた。

また品不足や値上がりで生活者に影響が広がったコメに関して、江藤氏は「値段が上がって消費者が困った、家計が苦しいのに、という気持ちはよくわかる。ただ生産現場からは『ようやくわれわれが望む水準の価格になった』『張り合いが持てるようになり、ありがたい』という声が聞かれた。だから高くても当たり前だと言うつもりはないが、今回のことによって農業の現場は一息ついた」とコメント。コメ政策に関する石破総理の意向を踏まえたうえで、輸出も含めた需要拡大に取り組む考えを示した。

江藤氏は宮崎県出身、64歳。衆院議員だった父の秘書などを経て、03年の衆院選で宮崎2区から立候補し初当選。現在8期目。安倍政権当時の19年に農水大臣として初入閣し、今回2度目の就任。