ロッテ、洋酒チョコ販売60年の知見いかして日本酒文化の普及に貢献 中田英寿氏監修の黒龍酒造コラボ商品で担当者が意欲

 ロッテは、洋酒チョコレートの販売で60年間培った知見やノウハウを活かして日本酒文化の普及に貢献していく。

 “日本に酔うチョコレート”をコンセプトとした「YOIYO(よいよ)」シリーズ第18弾商品の開発を担当したロッテ中央研究所チョコ・ビス研究部の田所啓次氏が10月22日に開催された発表会で明らかにした。

 第18弾商品は、中田英寿氏が代表を務めるJAPAN CRAFT SAKE COMPANY(東京都港区)監修のもと、黒龍酒造(福井県吉田郡永平寺)とコラボレーションした「YOIYO酒ガナッシュ〈黒龍酒造〉貴醸酒」。
 11月5日からロッテ公式オンラインモールと複合施設「石田屋ESHIKOTO」(永平寺)で数量限定発売される。

左から田所啓次氏、中田英寿氏、水野直人氏 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
左から田所啓次氏、中田英寿氏、水野直人氏

 第18弾商品について田所氏は「洋酒チョコレートを60年間ずっとやってきたロッテとして、日本酒文化に少しでも貢献したいという思いがある。日本酒の入り口(エントリー)が限定的な中で、洋酒チョコレートのイメージから、より多くのお客様に試していただき、黒龍酒造を知っていただきたい」と力を込める。

 その点、これまでの「YOIYO」コラボ商品では成果を上げている。

 「(酒造会社との)共創について地元メディアに取り上げていただいた。何より地元の方にお買い求めいただき、誇りに思っていただけているのが1つの成果だと思っている」と述べる。

 黒龍酒造8代目蔵元の水野直人氏は「ロッテさまとのコラボで、日本酒の魅力を知っていただく機会が増える」と期待を寄せる。

 ロッテと黒龍酒造の橋渡し役を務め商品開発にアドバイスした中田英寿氏は「今回のような掛け合わせや、業界の問題点を直す仕組みづくりが当社の事業の考え方であり、業界をよくしていくものと思っている」と語る。

 第18弾商品は106の試作品を経て開発された。

 ロッテの田所氏は「通常、個性の強いお酒だと、生チョコレートの一部として使用することが多いが、生クリーム由来の乳の重たさによって日本酒の特徴が丸められてしまうという課題があった」と振り返る。

 この課題解決に向け、特許出願中のロッテの技術「酒ガナッシュ」によって生クリームを使わずに日本酒を十分に配合できる状態から開発をスタートした。

 「生クリームを使わない試みは過去に一度やったことがあったが、チョコレートとお酒をただ掛け合せるだけではなく、両方が際立った高みを目指すのは今回が初めて」と胸を張る。

 ブランド名の「YOIYO」は「ふらりと旅に出るような気持ちで、夕暮れの黄昏時や夕食後に楽しんでいただきたいとの想いにより、“良いの宵(よい)”という言葉から命名された」。

 なお、ロッテ洋酒チョコレートの発売開始は「バッカス」が1964年、「ラミー」が1965年。

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