8月5日(発酵の日)に、つぼ市製茶本舗(本社・大阪府高石市、谷本順一社長)は発酵飲料「Japansese Craft Kombucha」を一般発売した。2022年から業務用のみ販売してきた「Beau”TEA”KOMBUCHA」のアップデート品。厳選した一番茶を100%使用し、茶価低下で苦しむ茶農家の廃業を防ぐ狙い。
茶農家は収入の約7割を一番茶に依存するケースが多く、茶価の下落によって苦境に追いやられている。同社は「茶農家存続の危機」との認識から、高単価の一番茶を使ったプレミアム茶で茶業界の衰退に歯止めをかける。
Kombuchaは、お茶の抽出液に、菌と酵母のかたまりである「スコビー」と糖類を加えて発酵させた飲料。世界的なブームとなっており、同社によれば24年の市場規模は約30億ドルに達する。29年までに45億ドルを超えるとの予測が示されており、今後も拡大が見込まれる。
新製品では、同社の茶鑑定士が全国から厳選して仕入れた一番茶から、上級煎茶の抽出液を作ってベースとする。さらに三次発酵で味を深めて「嗜めるノンアルコール」としての価値を追求、特殊加工した信楽焼の壺で発酵させる技術により、まろやかな食感を実現した。茶葉の香りを一層引き立てるため、非加熱仕上げとしている。
レストランやホテルを中心に販売するほか、自社ECサイトでも取り扱う。いずれは輸出も手掛ける考えだ。
業務用を取り扱う「焼肉割烹ふみや」の店主・猪俣郁弥さんは、7月27日の試食会で「料理との相性もよく、ノンアルコールを好まれるお客様に喜ばれている」と高く評価した。
「Japansese Craft Kombucha」は5種類をラインアップ。内容量はすべて720㎖、「上煎茶」「銀豪ジャスミン」は税別1万2千円、「ルイボスティー」「和紅茶やまなみ」「ローズヒップ&ハイビスカス」は同8千円。