カンロは上期(12月期)、グミが大幅伸長して3期連続で上期過去最高益を更新した。
上期業績は売上高が前年比8.9%増の155億6300万円、営業利益が32.2%増の23億4300万円、経常利益が31.5%増の23億円5500万円、中間純利益が42.9%増の17億6700万円。全段階利益で過去最高を更新した。
価格改定と販売量・生産量の増加よって限界利益を拡大したことで原材料高騰などのコストアップを跳ね除け増益を実現した。
売上高は、カンロ史上初めて、グミが飴を上回った。カテゴリ別上期売上高は、グミが16・9%増の77億7400万円、飴が1.4%増74億4900万円、素材菓子が13・9%増の3億3100万円となった。
初めてグミの売上げが飴を抜いたことについて、7月29日、中間決算説明会に臨んだ村田哲也社長は「グミが成長しているという世の中の変化がこの数字にあらわれていると率直に感じる。ただし、我々としてはグミと飴の両輪を伸ばしていかなければならない」と語る。
グミの主要ブランド別・上期売上前年比は「ピュレグミ」25.3%増、「カンデミーナグミ」14%増、「マロッシュ」9.7%減、「グミッツェル」36%増。
「ピュレグミ」と「カンデミーナグミ」が牽引役となり、コミュニケーション施策と営業力が上手く連動した。
「ブランド基軸経営を進めて、ターゲットに上手くフィットするよう形でTVCMや様々なプロモーションを展開して、高揚感などを刺激し手を伸ばしていただけたのが1つ。加えて、営業が主力商品をしっかり店頭露出したことでお客様との接点が拡大した」と説明する。
インテージSRI+によると、1-6月グミの小売販売金額メーカーシェアはカンロが前年同期比0.7%ポイント増加し16.6%を記録。今年、グミ市場でシェア2番の地位からトップに浮上する公算が大きくなった。
村田社長は、今後もグミ市場が拡大していくとみている。
「海外勢については印象としては淘汰され、以前のように出せば売れるという状況にはなく主力の海外ブランドに絞られてくると思っている。ただしグミ・キャンディ以外のメーカーやPBなどの新規参入は今後も続き、多様な味や硬さなど各社とも工夫しながら展開し棚が広がっていく」との見方を示す。