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農水畜産業水産マルハニチロ 高輪に26年から本社移転 魚食・健康で未来の食に挑む JR東日本・東大と協創

マルハニチロ 高輪に26年から本社移転 魚食・健康で未来の食に挑む JR東日本・東大と協創

マルハニチロは、2026年2月に「TAKANAWA GATEWAY CITY」(東京・JR高輪ゲートウェイ駅周辺)に本社を移転する。あわせて東日本旅客鉄道(JR東日本)、東京大学との協創に参画し、未来に向けた「新たな食の可能性」への挑戦を加速させる。

5月31日に3社合同で記者会見を開き、池見賢社長は「テーマは『魚食のリデザイン』と『パーソナル・スーパーフード(完全健康食品)』。地球と人の健康に貢献していく」と語った。

「TAKANAWA GATEWAY CITY」は、JR東日本が高輪ゲートウェイ駅周辺エリアで推進する駅と街が一体となった国内最大規模のまちづくり。「100年先の心豊かなくらしのための実験場」と位置付け、25年度中にかけて複数の新棟を順次開業する。

マルハニチロは創業144年を迎えたが、ブランドステートメント「海といのちの未来をつくる」を具現化するため、次の100年を見据えて本社移転を決断した。従業員一人ひとりが個性や能力を最大限に発揮し、新たな価値観や挑戦が生まれる環境づくりを目指す。新社屋は、オフィス内の設計段階から社内で広くアイデアを募集する。「本社移転を機に、当社のカルチャー改革にも取り組む」(池見社長)。

一方、同日付でマルハニチロと東京大学は今後の連携・協力に関する基本合意書を締結。JR東日本との3社で人と地球にやさしい食「プラネタリーヘルスダイエット」を提案し、社会課題の解決を図る。

テーマは「魚食のリデザイン」と「パーソナル・スーパーフード(完全健康食品)」。池見社長は「先進国の中で日本は唯一、水産物の消費量が減っている。理由は調理に手間がかかることなどが挙げられる。これまで以上に手軽な調理食材に進化させたい」とし、未来の魚肉開発や魚売場改革にも意欲をのぞかせる。

未来の魚売場
未来の魚売場

また、将来的に個々の健康状態にあわせた食の提供が求められると想定。同社の製品開発力・生産ネットワーク、東大の食品利用情報学・AI栄養学などを掛け合わせ、新たな食とサービスの開発を目指す。「具体的な内容や提供方法はこれから検討する」(池見社長)が、膨大な顧客接点を持つJR東日本の交通系ICカード「Suica」との連携も想定。ウェアラブルなデバイスや健康データなどを紐づけ、生活者が日々の中で手軽に健康的な食事を楽しめる環境を創造していく。

なお「TAKANAWA GATEWAY CITY」の新本社では、生活者がプラネタリーヘルスダイエットを実践・体験できる場を開設し、オフィスワーカー向けにパーソナライズ化されたメニューを提供する食堂もオープンする予定。

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