冷凍食品は「おいしさに男女約8割が満足」し、複数回の価格改定で「値上げを実感するも購入数量は変わらない」と感じている人が多いようだ。日本冷凍食品協会(会長・大櫛顕也ニチレイ社長)がこのほど実施した「冷凍食品の利用状況実態調査」の結果によるもの。外食や惣菜などに比べて「コスパ」「タイパ」の評価が高かったほか、「出るごみの少なさ」についても圧倒的な支持を得た。
市販されている冷凍食品の満足度を聞いたところ、「おいしさ」は女性が82.2%、男性が76.2%と高水準だった。「調理のしやすさ」や「スーパーの品ぞろえ」も高評価だったが、若い世代は「表示文字の見やすさ」「コンビニの品ぞろえ」も支持の要因に挙げた。
利用状況では、女性で冷凍食品を「使う人」は86.5%と大半を占めた。うち「週2~3回」が25.2%と最多。僅差で「週1回」が続く。利用頻度は女性が週平均1.8回(前回2.0回)、男性が同1.7回(同1.7回)と微減だが、「利用頻度が増えた」との回答も男女で2割超あった。理由として、男女とも1位は「調理が簡単で便利だから」(80%以上)がトップ。次いで「おいしいと思う商品が増えた」「手ごろな値段だから」となったが、女性は「テレビや新聞などで紹介されたから」が前回4.5%から14.6%に急上昇、冷凍食品のメディア露出が購入を後押ししたことがうかがえる。
値上げによる購買行動の変化は、男女とも一部食品の買い控えを回答したなか、冷凍食品は「購入が増えた」との割合が高く、購入数量を減らした実感が少ないとみられる。
冷凍食品の購入目的は、男女とも「自宅で食べる夕食」が6割前後を集め、次いで「自宅で食べる昼食」「お弁当用」「料理に使う素材として(野菜・魚介等)」の順。また年齢別にみると、年齢が上の人ほど夕食の利用が多く、若い人は弁当の需要が高いことも分かった。
1年前に比べて利用が増えた品目のベスト3は、女性が「ギョウザ」(36.0%)、「冷凍野菜」(28.0%)、「うどん.そば.ラーメン(麺のみ)」(27.4%)、男性が「ギョウザ」(37.3%)、「ピラフ・炒飯」(24.3%)、「パスタ・スパゲティ」(24.0%)。
一方、冷凍食品を「自販機」で購入した割合は男性で13.9%、女性で12.0%となった。「デパートの冷凍食品」は女性こそ19.4%にとどまるが、男性は34.6%と購入経験が多い。「高級店・有名店等のお取り寄せ」は2割前後だった。
他の食品と比較した評価では、「コスパ」「タイパ」とも冷凍食品が1位を獲得。缶詰・レトルト、デリバリー、ファストフード、惣菜・弁当を上回った。また「出るごみの少なさ」でも高い支持を得た。
調査は24年2月17~18日にかけて、冷凍食品を「月1回以上」利用している全国の25歳以上の男女1千250人(各625人)にインターネットで実施。また回答対象者を絞り込むためのスクリーニング調査(n=1万人)も分析の対象とした。