朝のTVニュースで、レコードカフェが増えていると報じていた。文字通りレコードが聴けるカフェだ。若者が多く訪れるという。背景にあるのは人気の「昭和レトロ」感。昭和生まれの私は懐かしいと思うだけだが、若者は斬新奇抜と受け取るのだろう。
▼福井県に本社を置くふじや食品が、地元の福井県立大学の学生と昨春から共同開発に取り組み、今春新発売した商品が「昭和レトロ あの頃のクリームソーダ味胡麻どうふ」と同コーヒーフロート味胡麻どうふ。クリームソーダを胡麻どうふで表現した。
▼こだわったのは2層からなる商品。昭和レトロは見栄えが重要視されるため、クリーム層とソーダ層を分ける必要があった。この2層の充填が難しく、2品のために生産ライン改修まで実施した。同社は「普通なら廃案になりそうな案件だが、学生の思いを何とか形にしたかった」と話す。若者のアイデアが、経営陣を動かし、胡麻どうふ市場では珍しい丸型容器の採用にも至った。
▼29日は昭和の日。一部の小売では同日に昭和企画を展開するようで、同商品も配荷される。両者の思いが消費者に届いてほしいと願う。