農水省のまとめによれば、23年度(令和5年度)の米粉用米の生産量は前年度より10%減の4万t、需要量は18%増の5万3千tだった。24年度の需要量は6万4千t(21%増)を見込んでいる。
主食用米の需要が年々減少する中で、国は米の消費拡大の取り組みの一環として米粉の普及を推進してきた。23年度は米と米粉の消費拡大に向けたプロジェクトを組織し、TVCMやインターネットを使ったレシピ提案、外食産業やスーパーマーケットらとのコラボレーションなどを手掛けている。米粉を使ったパンやケーキ、麺類など新たな用途に使用できる米粉の需要は、拡大傾向にある。
また、ここ最近では新たな米粉の活用方法として、米殻を加熱処理した後に裏ごしピューレ状に加工してパンなどに使用する米ピューレや、特殊な加工技術により増粘多糖類や油脂などの代替として製パン時の粘度調整に使用することができるアルファ化米粉なども登場した。
米粉用米の生産は各地で増加。米粉専用の品種である「ミズホチカラ」や「笑みたわわ」「ほしのこ」「こなだもん」のほか、麺に適した「亜細亜のかおり」といった加工適性や収量に優れた米も開発された。農水省の試算によると米粉の原料価格は50円/㎏ほどで、製粉コストは10t単位の大口ロットで80円/㎏、1t未満の小口ロットで290円/㎏程度(いずれも製造量が年間300t以上の製粉企業)としている。農水省は米粉の利用拡大支援対策事業を措置しており、企業らによる米粉の新商品開発や機械設備の導入などを支援している。