寒天・ゲル化剤などを手掛ける伊那食品工業の名古屋支店(森田豊美支店長)が3月13日、名古屋市内で「中京地区 総合展示会2024」を開催。得意先向けに地区単独で展示会を行うのは初めて。当日は和洋菓子をはじめ食品メーカー、外食、給食、惣菜、施設・介護食関係者など約300人が来場。多種多様な製品に見入るとともに、担当者の説明に熱心に耳を傾けた。
「かねてからこういう展示会を構想していたが、コロナ禍で実現できなかった。その間にも当社ではいろいろな新製品を投入している。コロナが明けたいま、改めてお客様に伊那食品の商品をすべて知っていただこうと考え企画した。近年は菓子メーカーが全く違う分野に事業領域を広げたり、異業種が食品・外食産業に参入したりと、ありとあらゆるところがボーダーレスになってきている。寒天やゲルも同様に、食品以外にも様々な用途で使われており、本日もそういう異業種のお客様にお越しいただいている」と森田支店長。
会場では、会社案内から始まり、寒天の構造や種類・用途、和洋菓子や外食・惣菜などの使用例とその機能・効果、介護食向け提案、寒天の原料や主な製品などを幅広く紹介。
製菓コーナーでは、ゼリー化や保湿効果など一般的に知られている機能とは異なる寒天の特性を生かした活用例をラインアップ。特に、スイーツの分野で広がっている冷凍対応に注目が集まった。
外食や惣菜コーナーでは、ミルク系デザートの素「シルキーコッタ」シリーズや水だけで作れる「楽らく」シリーズ、とろみ剤「プチドリップ」、食材のくっつきを防ぐ「くっつかないで」などの自社製品の紹介と合わせ、商品の付加価値を高めるための加工やテイクアウト・デリバリー需要の拡大に伴う経時変化の抑制など、寒天使用のメリットを来場者に伝えた。
寒天素材コーナーでは、海藻を原料とするミネラル豊富な肥料「養土藻」や、降霜による花蕾・野菜苗の表面ダメージを軽減する農業資材「芽守」などをPRした。
また、セミナーも実施。午前は「“冷凍”に使える素材提案やポイント」、午後は「最新の植物性素材(食品素材)のご紹介」と題して、より深掘りした内容で講義が開かれた。