DM三井製糖は3月28日、和田製糖(東京都中央区・和田哲義社長)と業務提携契約を締結した。近年の人口減少や消費者の甘味離れ、原料価格・エネルギーコストの高騰を背景として国内砂糖事業の経営環境は厳しさを増している。両社は業務提携によりさらなる事業基盤の強化を狙う。
和田製糖は1952年に創業した独立系の製糖メーカー。業務用に特化し、上白糖やグラニュ糖といった精製糖のほか「本和香糖」「上赤糖」など独自の含蜜糖製品の製造・販売を手掛ける。
同社は東京都江戸川区に製糖工場(江戸川工場)を持つが、近年の事業環境や生産設備の老朽化に鑑み、2025年3月末をめどに江戸川工場を閉鎖することを決定。工場閉鎖後はDM三井製糖・千葉工場(市原市)に砂糖生産を委託する。販売は和田製糖が継続して行う。
DM三井製糖は、2022年10月に三井製糖と大日本明治製糖が合併して発足。「国内砂糖事業の強靭化」を掲げ、サプライチェーンの合理化・効率化を進めてきた。
今回の業務提携により「さらなる生産物流の効率化を図り、各々が強靭な事業体制を築くことで、国内砂糖業界の持続的かつ安定的な成長に寄与したい」としている。今後、両社の提携関係を強固にするため資本提携に向けた協議も進める方針だ。