中部メイカン(岐阜市、小寺仁康社長)は3月7日、名古屋中小企業振興会館で「2024年春季展示会」を開催した。当日は、取引先関係者約250人を招待。新規19社を含むメーカー172社(ドライ124社、チルド30社、酒類18社)が出展し、今春夏の新商品・注力商品などをアピールした。中部メイカンオリジナル企画「メイカンセレクション」は、過去最多となる24のテーマを用意。細分化が進む消費者・得意先ニーズに対応した。
「メイカンセレクション」では、「推しの新商品」や「乾麺・つゆ」などの定番テーマをはじめ「災害備蓄品」「カレンダー商材」「ロカボフード」「タイパ商品」「プラントベース」「アジアンフード」「健康志向・機能性食品」「即食・簡便」など、昨今のトレンドやキーワードを踏まえた商品をセレクト。
県別コーナーでは、愛知・岐阜・三重・静岡・長野の地場メーカー商品や地域名産品などを揃え、地産地消・地域商材を求める小売に提案を図った。
また今回の展示会では、以前好評だった試食専用エリアの屋台ブースを復活。出展企業全体でも、過去最大の96社が試食を行い、来場者に味をしっかり確かめてもらい商談に当たった。
中部メイカン・小寺社長によると、同社の24年3月期通期業績予想は、総売上高が前年比2・7%減の109億円、経常利益が2・6%増の1億9千500万円。「売上については、主要取引先企業の売上減を、他の主力企業の帳合獲得などでカバーしきれなかった。ただ、下げ止まり基調になってきたことと、現在前向きな話をいただいているところが2社ほどあり、4月以降は回復してくる見込み」という。経常利益に関しては有価証券の配当のほか、好調な「築地銀だこ」のFC事業や1社のセンター受託をしたことなどが寄与した。
物流2024年問題に対しては、「当社の優先事項の一番は、納品時間の午前10時を厳守していただくこと。そうでなければ、当社は6割が自社物流なので、こちらから荷物を受け取りに行くこともできる。それでも間に合わないときは、1日遅れで良いので午前10時のラインを守って欲しい」とし、倉庫作業の二度手間の回避、そうした超過業務に伴うスタッフの労働時間や人件費の増加を抑えたい考え。
また同社では、第2安八物流センターの建築を計画。今年秋口に土地取得にめどをつけ、そこから1年~1年半後には新センター完成を構想する。第2センター稼働に合わせ「本社機能の移転や西濃酒販などグループ企業の配送も集約していく」。
ロジスティックス事業には引き続き注力。物流受託や倉庫業などの展開もにらみながら、自社の強みとして装備を強化する。