16.1 C
Tokyo
15.9 C
Osaka
2025 / 11 / 04 火曜日
English
加工食品乳製品・アイスクリーム明治 商品磨きと価値伝達強化 カマンベールに回復の兆し
〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

明治 商品磨きと価値伝達強化 カマンベールに回復の兆し

明治は24年度、既存商品を含めた商品の磨き上げを図る。一部商品は価格改定以降「価格に見合う価値を伝え切れていない」といった課題があることから、価値を分かりやすく伝えるパッケージや付加価値を高める新商品を通して、新規顧客獲得と買い上げ点数アップにつなげる。

同社の23年度第3四半期は増収増益で着地した。業務用は人流回復でクリームチーズやバターが大きく伸長。家庭用は大型マーガリン・チューブタイプバター、冷凍食品のグラタンドリアなどが牽引し、「銀座カリー」「丸ごと野菜カレー」も前年超えで推移した。

市場全体が低迷するチーズ事業は、物量に課題があるものの金額ベースで前年を超え始めた。なかでも苦戦していたカマンベールは提案を強化した11~12月に回復の兆しが見え始めたことから、この動きを加速させる。

2月19日に行われた乳製品・調理食品の新商品説明会で、三井基史執行役員グローバルフードソリューション事業本部長は「第3四半期は明治の底地力を見せることができた」と手応えを語る。

そのうえで「ここ2年間の連続値上げで、新たな付加価値を提供できている商品がある一方、棒上げ商品は販売数量を落としている」と課題点を示し、商品の価値訴求を一層強化する方針を掲げた。

「明治北海道十勝カマンベール燻製」
「明治北海道十勝カマンベール燻製」

3月1日発売の「明治北海道十勝スマートチーズ 熟成チェダーブレンド ブラックペッパー入り」(90g、税別340円)は、同シリーズ5年ぶりの新商品。ヘビーユーザー層の購入個数が伸長していることから、初めて手に取る人にも商品の魅力が伝わりやすいブラックペッパーで間口拡大を図る。量販店からの評価も上々といい、既存品と併せた3品体制を提案する。

カマンベールは、コア層の60~70代に加え30~50代の次世代層獲得を目指す。「明治北海道十勝カマンベールチーズ燻製」(90g、560円)は酒との相性やシリーズ認知を高めるデザインに刷新。父の日に合わせて6月1日から「同 切れてるタイプ ブラックペッパーガーリック風味」(560円)を全国一斉発売する。

同社が強みとする国産シュレッドチーズは、輸入原料チーズの価格が上がった際にトライアルが増え、十勝産ならではのおいしさが伝わったことでリピートがついた。3月1日から生食可能で汎用性が高い細切りタイプの「明治北海道十勝熟成3種の細切りチーズ」(120g、400円)を投入した。

「明治スプレッタブル」
「明治スプレッタブル」

油脂部門では、豊かなコクとバターの風味が特長の「明治コクと香りのバター風味ソフト」(280g、280円)を投入。3~5月は既存商品の20g増量企画を予定。

「明治スプレッタブル」(130g、380円)、「同 発酵バター配合」(130g、400円)はクリームチーズの配合変更で乳風味をアップした。限られた素材を組み合わせたおいしさと安心感を伝えるため、パッケージを「これ以上ないほど分かりやすく」した。

同社によれば、マーガリン市場はパン市場の好調もあって堅調に推移した。価格とおいしさの両立が支持されるバター入りやリッチタイプの大型商品が牽引している一方で、未購入理由として、特長が分からない・原材料が安心できない・トランス脂肪酸が多そうとする声が多く、商品価値が明確に伝わっていないことが明らかになった。

4~6月にかけて「明治十勝チーズ」全品とチューブ商品群、コーンソフト2品、スプレッタブル2品を対象に、ディズニーとのタイアップパッケージ(全38種類)を展開する。

関連記事

インタビュー特集

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。

明星食品 新提案「麺の明星 主食麺宣言!」 4つの軸の袋麺アレンジで食事性アップ

明星食品は、こだわりの麺技術で開発した商品ラインアップを全面に押し出し、新たに「麺の明星 主食麺宣言!」と銘打ったプロモーションを大々的に展開している。

イチビキ 中村拓也社長 豆みそ・たまりNo.1の矜持を 人口減睨み業務用・海外強化

安永元年(1772年)創業の醸造・食品メーカー、イチビキ。今年6月20日付で同社社長に就いた中村拓也氏は、98年入社。

「大豆ミート」対談 マルコメ・日本製鋼所 次世代型食品へ課題と提言

健康志向が高まり、プラントベースフード(PBF)にも関心が集まる中、2023年9月に大豆ミートメーカー5社が発起人となり、「日本大豆ミート協会」が設立された。

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点