「空白地帯」突く米久 ディナー用フランク「DAMONDE」 不振の前作を徹底改良 冷凍弁当でも新チャレンジ

米久が今春の新商品テーマの一つに掲げる「新コンセプトへのチャレンジ」。市場で空白地帯になっている領域を突く意欲作を、相次ぎ投入する。

これを象徴するのが、フランクフルトソーセージ「DAMONDEフランクス」。

「ジョンソンズヴィル」(プリマハム)に代表されるディナー向けフランクの市場は20年をピークに減少傾向を示すなか、少人数世帯の需要掘り起こしへ昨年発売した「ジャイアン2フランクス」の改良版だ。

この領域では5~6本入りが市場の主流。購入率が最も高い2人世帯向けの提案が手薄になっていた。そこで前身商品は2本入りで特徴を打ち出したものの「(2本では)見栄えがせず割高感があり、正直あまり売れなかった」(伊藤ハム米久HD商品企画室・服部剛弘室長)といい、改善点を洗い出した。

食べ応えある肉をイメージさせる、重厚な響きのブランド名「DAMONDE」。実は地元・静岡方言で「だから」を意味する「だもんで」から。

売場でボリュームが感じられない→だから、2本入りから3本入りの横置きに変更。価格に見合うボリューム感に▽中身の長さが足りず、ラベルで隠れてしまう→だから、形状が安定するサイズのケーシングを採用。ラベルサイズも縮小▽商品のインパクトが少ない→だから、ラベルを横向きにして料理写真を大きく…といった具合だ。

少人数世帯に向けた無駄のない内容量・価格帯で気軽に手に取ってもらう狙いだ。ホワイトとスモークの2品。3本入り155g、希望小売価格330円。

「タイパ×クオパ(クオリティパフォーマンス)」をテーマに取り組む冷凍食品でも、新コンセプトに挑戦。拡大する冷凍弁当の分野から「コムタンクッパ」「カルビクッパ」を発売する。

「冷凍弁当でまだ取り組めていないのが、女性向けの量目が少ない弁当。市場でもまだ少なく、ニーズがある」(服部氏)。少なめの量で手に取りやすく、主菜・副菜がバランスよくとれるスープごはんを開発した。

「具材・スープ付きの冷凍ラーメンや弁当はあるが、スープ系ごはんはまだあまり見かけない。幅広いお客様に向け、辛すぎず食べやすいものを目指した」(同)。白米ともち麦を使い、たっぷりの野菜をパッケージ写真でアピール。女性を中心とした支持獲得を図る。各260g。

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