日本アイスクリーム協会は1月25日、「第48回アイスクリーム類製造業衛生功労者表彰式」を都内で開催。アイスクリーム類製造業における衛生、品質の改善・向上において功績があった24人を招き、協会会長賞として表彰状を贈呈した。
冒頭、松田克也会長は「昨年はアイスクリーム業界も価格改定を行い、皆さまのご努力もあり価格は浸透した。業界を取り巻く環境の変化に翻弄されたが、皆さまが表彰されることをうれしく思う」とし、品質衛生の向上に向けた一層の精進を求めた。
来賓祝辞の中で日本乳業協会の沼田一政専務理事は「今年度のアイスクリーム類販売実績は、夏の猛暑や11月までの暑さ、消費者ニーズを捉えた取り組みなどで市場規模は6千億円達成が間近に迫った。国の輸出促進でも牛乳乳製品カテゴリーを牽引している。今後もおいしく安心な製品提供と後進の指導育成に貢献してほしい」と語った。
続いて受賞者を代表して北陸メイトー乳業(石川県白山市)の中島政樹氏は、「今回の能登半島地震では自宅で揺れを体験し、恐怖を感じたとともに被災地の状況を知って胸を痛めている。全国からの温かい支援に感謝している」とし、「入社当初はシューアイスがトンネルフリーザーから溢れ出てどうしようもない夢をみることがたびたびあった。ラインを任されるようになった頃、消費者から工場に励ましの手紙をもらったのをきっかけに心を込めてアイスを作ることを学び、今日までの原動力になっている。これに満足することなく、より多くの人に商品を楽しんでもらえるよう邁進する」と謝辞を述べた。
コロナ前のにぎわい戻る
祝賀会にはコロナ前に相当する約130人が参加した。冒頭、兵働仁志副会長は、「東日本大震災後に現地の避難所や仮設住宅でアイスクリームを届けた折には、子どもたちやお年寄りに喜ばれ、他では味わえない価値があると痛感した。この価値はメーカーだけではなく原料、包装資材、物流、サービスによる太くて長いサプライチェーンが作っている」と述べた。
日本アイスクリーム産業振興会の桝村聡会長は、「昨年4~12月の市場は金額で二ケタ増、数量でも前年を数ポイント上回り、価格改定後も底堅い需要を維持している。このままで推移すれば23年度の売上高は6千億円と過去最高予想もある。健康軸を強化した商品開発や他業界とのコラボなどのマーケティング施策により市場活性化を期待している」として乾杯の音頭をとり、久米仁司副会長が中締めを行った。