蜂産品業界が一同に 新年顔見せ会 全日本かちみつ協同組合

全日本はちみつ協同組合(田中正道理事長)は24日、都内のホテルで「2024年度新年顔見せ会」を開催。組合企業のほか、日本養蜂協会、全国はちみつ公正取引協議会、日本蜂蜜輸入商社協議会など蜂産品関連団体からも多数出席した。

会では冒頭、田中理事長のあいさつを小島浩専務理事が代読した。続いて来賓を代表し、沖弘昭・日本養蜂協会常務理事が昨年の国内養蜂の生産状況について「開花が早く採蜜の準備が間に合わなかった面があった上、天候、ダニ被害も影響し生産状況が悪かった。また、ミツバチの餌の価格も上昇したがコスト高を価格に転嫁できない年だった」と振り返り、「今年は法改正によりはちみつの残留基準について厚労省から消費者庁に変わる。どう運用されるのか気になるところだが、業界団体と協力しながら改善に努めていきたい」とあいさつした。

日蜂協 沖弘昭常務理事 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
日蜂協 沖弘昭常務理事

また、河村憲明・日本蜂蜜輸入商社協議会会長は「原材料価格はなかなか先が見えないが、皆さまの期待に添えるよう、これまで通りさらなる安心安全および信頼のおけるはちみつの提案と供給をしていく」と述べた。

続いて水谷友彦・水谷養蜂園社長が「年初から痛ましい天災、事故が相次いだ。乾杯の起源は古代エジプトで、国や、亡くなった方たちのために行う儀式だったと聞いた。天災はいつどこで発生するか分からないからこそ、私たちは前に進んでいくしかない。会のますますの繁栄、はちみつを扱っているからこそ健康も祈念する」と乾杯の辞を述べ祝宴となった。

会では加藤禮次郎・加藤美蜂園社長がスピーチし「価格競争に陥ることなく、味や容器など付加価値を高める競争によって各社がブランド力を高めることが必要だ」と提言するなど活発な意見交換が行われた後、散会した。

田中理事長のあいさつ

2024年の業界予測は難しいが、それでも一歩踏み出すことが大切だ。日中蜂産品会議は昨年岐阜で開催し、新任の中国土畜進出商会の会長が初めて来日し出席され、岐阜県知事にも開会のあいさつをしていただけた。4年ぶりに日中間で親睦を深め、会議は成功裏に終了した。改めて皆さまに感謝したい。なお、今年は中国・青島での開催を予定している。

国内のはちみつマーケットは、中国産はちみつの製品輸入が増え、安値販売が一部で定着している。日中間でも品質検査が取り上げられ検査方法など、今後の協力体制が必要だ。食品は値上げの影響で消費量が落ち込んだ。小売大手はPBの構成比を増やす傾向があり、はちみつは今年前半厳しい状況が続くと思われる。商品ブランドの認知浸透と、はちみつの価値を高めていきたい。

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