12 C
Tokyo
13.7 C
Osaka
2026 / 02 / 14 土曜日
ログイン
English
流通・飲食小売九州小売業界 前期業績は業態で明暗も 再編の流れ進むか

九州小売業界 前期業績は業態で明暗も 再編の流れ進むか

九州エリアの食品小売業界では、昨年度はコロナ禍の緩和で売上高は増収を計上する企業が増えた一方、増益.黒字転換はおおむね半分にとどまった。とくにDSやDgS、百貨店が好調だったのに比べて食品SMや生協、HCなどは収益改善が遅れた形となった。その後は食品インフレで消費者の節約志向が高まるなか、経営環境は厳しい状況。一方で百貨店はコロナ明けの反動などが重なり、好調をキープするなど消費の二極化が進んでいる。

ここで主要流通企業の2022年度の決算実績をまとめた。今回は新会計基準の導入によって売上高ランキングが変動した。売上高(営業収益)ではコスモス薬品が8千276億9千7百万円で12年連続で首位となった。昨年と同じく2位のトライアルHDが6千681億2百万円、3位はイオン九州の4千844億6千6百万円、4位はダイレックスで2千885億1千1百万円となった。前年5位だったイズミ(九州地区)は新基準で2千256億円から1千159億6千5百万円に縮小し8位に後退した。

経常利益では売上高同様、コスモス薬品が対前年比0.7%の微増ではあるが、330億8千6百万円でこちらも12年連続の首位。2位はダイレックスが11.2%増の138億5千4百万円、3位は6.2%増のトライアルHDの134億7千5百万円と続いた。今期は価格改定により粗利益率が改善される小売企業が増える見通しとなっているが、買い上げ点数の減少が生じていることからどれだけの回復が見込まれるかは不透明な状況となっている。

九州エリアでは小売流通企業各社が昨年に引き続き年末商戦に向けてリベンジ消費などの取り込みに努めているが、ガソリン価格の急騰に伴う物流費・原材料費の大幅増や電気代の大幅な値上げに伴うコスト負担の増加、メーカー側からの相次ぐ値上げが続いている。加えて10月から最低賃金が改定されて流通企業各社はパートやアルバイトの時給を引き上げた。売上の伸びが停滞してきている中、時給の引き上げは収益を圧迫し中堅以上のSMでは年数億円の負担増になると試算される。慢性的な人手不足問題に向き合いながらオペレーションの質の維持や各社における店舗作業の合理化などの生産性改善が一層求められている。

今年は域外組のロピアが市場に参入。6月に1号店の博多店を皮切りに、8月に新宮店、10月に北九州リバーウォーク店、11月には筑紫野シュロアモール店をオープンするなど立て続けに出店した。対して地元に古くから根付いている小売業などは年々シュリンクを続けている市場環境の影響を受けて厳しい経営環境に直面している。

九州エリアでは人口減を受けて小売市場のシュリンクが加速する一方、オーバーストアに起因する価格競争が継続するものと想定される。業態間における競争が激化する様相を呈しており、コロナ禍をきっかけに小売流通企業各社では自助努力が求められている。企業間における収益格差がより広がりをみせていることで、業界再編の流れがより加速する可能性が高まることも十分に考えられる。

恒例の「九州小売流通特集」(12月4日付本紙掲載)では今後の見通しを踏まえて、九州各エリアの主要流通企業の詳細についてお伝えする。

2022年度九州エリア主要流通企業の業績
2022年度九州エリア主要流通企業の業績

関連記事

インタビュー特集

学生が育てるアーモンドの木 明日の社会へ価値循環 デルタインターナショナル×キャンポスブラザーズ

アーモンドの世界的産地である米カリフォルニア州でも、トップクラスの供給量を誇るキャンポスブラザーズ社。日本の販売総代理店を務めるデルタインターナショナルでは、学生の手でアーモンドの木を育てて商品化することを目指す玉川大学の...

原点は休憩中に見上げたキウイ 全国で食材発掘、生産者と企業つなぐ サッポロビールの地域創生事業

 明治9年(1876年)、北海道で新たな産業を興すべく設立された「開拓使麦酒醸造所」をルーツとするサッポロビール。創業150周年を迎える今も、その“開拓”の精神は息づく。ビール会社としての枠にとらわれない発想力を武器に、事業領域拡張の最前線で奮闘する人物に迫った。一次産業を担う各地の生産者と企業のバイヤーをつなぎ、農林水産物の需要創出をサポートするサッポロビールの地域創生事業。その原点は、外食企業のコンサルティングを手がける部署で九州の拠点に配属されていた、一人の担当者のひらめきだった。

カキ養殖の展望を聞く〈前編〉 “殻付き”市場拡大 環境変化と効率化に対応 シーパジャパン・吉本剛宏社長

瀬戸内海で養殖カキが甚大な被害を受け、生鮮市場だけでなく加工メーカーや流通にも影響が及んでいる。こうした中、従来の養殖方法とは異なるシングルシード養殖法が注目されている。

繋げる、繋げる、繋げる たこ焼きコミュニケーション足掛かりに TKO・木本武宏さんが次のフェーズへ

STUDIO TAMUROはお笑いコンビ「TKO」木本武宏さんの活動拠点。木下さんの実妹・大岡真裕美さんが代表を務める「オフィスTAMURO」が運営し、トークライブや、YouTube番組作成スタジオとして利用してきた。昨年5月からは新たな活動として、毎月3日だけ営業する「たこ焼き店」がスタートした。

SST=“サミットの仕事が楽しい”へ 新たな競争軸を作る 服部哲也社長

――中期経営計画の進捗はいかがですか。― 服部 「良い×強い=最強」という言葉を掲げた中期経営計画「頂(イタダキ)2025」は、最終年度を1年延長して26年度までとした。