通販食品展示商談会㊤ 全国のご当地食品が一堂に コンテスト金賞商品も展示

日本で唯一の通販・宅配食品に特化した展示商談会「通販食品展示商談会」が、このほど東京・有楽町の東京交通会館で開かれ、盛況のうちに終了した。

今回で13回目を迎えた商談会は、食品産業センター、日本スーパーマーケット協会、日本通信販売協会、食品新聞社で構成する「通販食品展示商談会」実行委員会が主催し、農水省や経産省など行政組織や多くの食品関係団体も後援した。

日本全国のご当地食品やギフトなど農・水産物商品、瓶・缶詰、飲料、レトルト食品、スイーツ、デザート、サプリメントなどが一堂に紹介されるが、今回は健康食品や水産物・水産加工品の展示が目立った。来場者の多くが通販食品に関わる担当バイヤーだけあって、多くの企業が商談につなげた。同会場では防災食品が通販でも扱われているとあって、併設開催として第2回防災グッズEXPOも開かれた。

中部食産の「奥美濃古地鶏」を使ったハム・ソー - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
中部食産の「奥美濃古地鶏」を使ったハム・ソー

中部食産(岐阜県恵那市)は、「奥美濃古地鶏」を使用したハム・ソーセージ、ウインナーを製造販売している。昔から伝わる熟成方法で知られ、じっくりと地鶏の旨味を引き出している。一般的な地鶏の飼育日数は約120日だが、「奥美濃古地鶏」は約90日と若く、肉質も硬過ぎず味が濃いのが特徴。通販のほか道の駅やサービスエリアなどでおみやげ需要としても人気で、県外からの購入者も増えている。

北海道下川町農産物加工研究所(北海道上川郡下川町)は、ふるさとの味100%のトマトジュース「ふるさとの元気」を販売。生食品種「桃太郎」と「宗谷の塩」だけで製造した100%果汁のトマトジュースは、トマトスープや煮込みハンバーグ、ロールキャベツなど料理にも使える。

金井農園の真田のコシヒカリ「小松姫」 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
金井農園の真田のコシヒカリ「小松姫」

金井農園(群馬県沼田市)は、真田のコシヒカリ「小松姫」を出展。小松姫は徳川四天王として勢威を振るった本多忠勝の娘で、沼田藩城主の真田信之の正室小松姫に因んだ。沼田城主だった真田信之夫人は、小松姫の発案で水不足に悩む領民を救うため真田用水を開削。合鴨を使って除草する合鴨農法により、早くもこの時代から循環型農法を取り入れていた。栽培方法にこだわった米は有機JASの認証を取得。お米のコンテストにも毎回出品し、金賞や特別優秀賞を受賞しているお墨付き米。通販やデパート、富裕層向けのホテルや旅館、レストランなどで販売。収穫した米は全量食味計で測定し、味値点数の高い順にスーパープレミアム米、プレミアム米、レギュラー米として販売。金井繁行社長は「測定結果の味値を封入箱に封入することで品質を保証している」と話す。

From Now On(東京都中央区日本橋)は、3月に設立された米粉と米ぬかの会社で、原料と製品を販売。一番の推しは米ぬか粉。新潟県南魚沼のコシヒカリを特殊な方法で製粉した米ぬか粉「トコリザ」は、甘みのある風味と、通常ビタミンEの約40倍あると言われるスーパービタミンE「トコトリエノール」を含んでいることが特徴。添加物は加えず、おいしく食べやすい。「販路を拡大したい思いから通販食品展示商談会に出展したが、出展社とのコラボも考えている」(同社)。

鈴香食品(富山県射水市)は、水揚げした甘エビや白エビの破棄していた殻をスープに仕上げている。「破棄した部分を使うことで、ゴミを出さず、食品ロス削減にもつながる」(同社)。従来は問屋任せで販売していたが、「通販だと直にお客さんに伝えたい思いが伝わるため、食べ方提案などを通販用の箱に入れて販売している」。

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