DM三井製糖 砂糖、10円値上げ 10月から約4%相当

精製糖トップのDM三井製糖はこのほど、10月11日から砂糖出荷価格を10円(約4%相当)値上げすると特約店に通知した。国際粗糖価格の上昇や円安影響による輸入粗糖調達コストの上昇を価格に転嫁する。

今回の値上げが完全に浸透した場合、上白糖で1kg当たり249円~251円、グラニュー糖で252円~254円となる(価格は日経・東京卸値)。23年に入ってからの出荷価格の見直しは、1月(6円)、7月(12円)に次いで3度目。21年からの累計では計8回・63円の値上げとなる。

値上げの背景には、国際的な粗糖需給のひっ迫懸念がある。主要生産国のインド・タイでは干ばつなど天候不順の影響で減産が見込まれ、国際粗糖価格の指標となるニューヨーク粗糖先物(期近)は9月に1ポンド27セント台に急騰。その後も高値圏で推移している。

直近のドル円相場も1ドル140円台後半の円安傾向が続いており、政府による輸入粗糖の売戻価格は10~12月で3円40銭ほど引き上げられた。1~3月についても引き続き上昇が見込まれ、今回の値上げはこうした今後の見通しを反映させた格好だ。

年末年始の需要期に向けユーザーからの抵抗も想定されるが、DM三井製糖は「引き続き自助努力に努める。厳しい環境は続くが、今後の動向を注視したい」としている。