菓子卸・髙山 創業100周年に感謝の意 「ニーズに応える。ニーズを創る。」を堅持

菓子・食品総合商社の髙山(本社・東京都台東区)は今年、創業100周年を迎え、今後も引き続き「ニーズに応える。ニーズを創る。」の方針のもと、菓子卸を屋台骨に環境の変化に対応しつつ需要創造に向けた新たな商品開発や売場づくりに挑む。

9月8日、取材に応じた髙山時光社長は「私は今年入社から20年が経ち、創業100年の後半5分の1に関わったことになる。ただ最初の12年間は現場におり、経営という視点で会社を見ているのはたった8年間。そのため、語れることが何もなく、本当に皆さまのおかげで100年を迎えられたことに感謝申し上げたい」と述べる。

髙山の髙山時光社長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
髙山の髙山時光社長

髙山社長は、2015年から現職で7代目(髙山姓4代目)。卸は、メーカーと小売企業の間に立つことから「今後もメーカーさまと小売企業さまのお困りごとに対応するとともに、ニーズを創るというところについて、商品開発や売場づくりなど新しいものを当社から提案していく」と意欲をのぞかせる。

この大方針のもと、今期(2月期)の重点テーマとしては、メーカーの売上拡大とともに物流の2024年問題など業界の諸課題への対応を挙げる。

売上拡大については「販路ごとにアフターコロナへ対応すべく行動目標と数値目標を四半期ごとに策定しそれをしっかり追いかけていく」。

1923年、東京都荒川区町屋に「髙山菓子店」を開業して創業。1964年に旧本社ビルが完成した。 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
1923年、東京都荒川区町屋に「髙山菓子店」を開業して創業。1964年に旧本社ビルが完成した。

目下、菓子市場の近年の活況が追い風となる。前期売上高は前々期比1・49%増の2千67億394万円。今期第1四半期(3―5月)の売上高は全ての販路が引き続き伸長し3・48%増の550億1千800万円となった。

「第1四半期、人流回復により特に伸びたのがテーマパークや遊戯施設などの非食品流通で19%増。食品流通では食品スーパーが5%増、コンビニも2%増となった。コンビニは業態としての実績を見ても、19年比を超えている」と語る。

菓子市場の各カテゴリーが総じて上向いており、コロナ禍でも伸長を続けたグミについては、韓国などの輸入勢が一服し国内勢が中心の構図に変わりつつあるという。

「グミは数年前から活況で新商品の数も一番多いカテゴリー。小腹満たししたい女性やたくさん食べたいお子さまなど様々なニーズに形状を変えるなどして様々な深耕余地がある」との見方を示す。

2024年問題では、配送員の拘束時間を短くしていく。具体的には、運送距離の短縮や荷積み・荷降ろしの附帯作業の削減、アイドリング・待機時間の削減に取り組む。

外部環境として、小売企業による納品リードタイムの1日延長の動きに期待を寄せる。

2024年問題では配送員の拘束時間を短くしていく。 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
2024年問題では配送員の拘束時間を短くしていく。

「当日・夜間・翌日午前配送の方針だった小売企業さまが、全店プラス1日にする方針に改めるという話を聞く。そうなると非常に良くて、持っていく物量が事前に把握でき増便がなくなり、急いで仕分けをすることもなくなり、計画的に準備できるようになる」という。

メーカーでD2(Day2=翌々日配送)が広がっていることもポジティブに捉える。「卸は数日分の在庫を持っているのでD2により卸の在庫が過剰に増えることもない」とみている。

インボイス対応では、「小売企業さまにこのまま紙でやられるのかシステムを導入されるのか全部聞き取りを行い、システムが必要なところに対応している」。

コスト削減策については、配送における様々な提案や昨年新設した業務部による庫内作業の数値化・効率化に取り組んでいる。

グループ会社では、ファブレスで菓子OEM企画製造を手掛けるアッシュが好調。髙山ブランドとしては100円均一の「買物専科」が復調傾向にある。

「コストアップの高まりを受け減量するなど規格変更しながら新商品を欠かさず投入している。『買物専科』は100円という売価に非常に価値があり、量が減り過ぎてしまうものは撤退か商品設計を変えて他の売場で展開している」と説明する。

アッシュでは、髙山を通さずに他の小売業にもBtoBビジネスを展開している。

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