広川「新たなグループ展開を」 廣川社長が方針

広島市の食品卸・広川の取引先による「広栄会」の総会が8月29日、広島ガーデンパレスで開かれた。20年9月に廣川正和社長が就任して初めてのリアル開催となり、メーカー89社が参加した。

廣川社長は今年度のテーマを「選択と集中」とし、「業務の平準化、採算販売の徹底、未来への取組みを進めていく」と強調。「今期から社長室と経営企画室を統合し、経営企画部とした。食品部門だけでなくすべての事業の管理を円滑にし、新たなグループ展開を推進する」と説明した。

なお、23年6月期の売上高は前年比100・7%の96億9千600万円。藤江里士事業統括部長は「期初に岡山支店の家庭用と業務用を統合し、相乗効果が表れている。

広栄会の木下茂三会長 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
広栄会の木下茂三会長

今年5月の広島サミット以降、業務用市場が回復基調にあり、地活の事業もニーズに合わせた活動が進んでいる」と総括。

「価格改定や燃料高騰の中、物流改善による配送コースの効率化や経費削減に取り組み、経常利益も改善することができた。今期もさらなる業務改善へ向け全力で対処する」と述べた。

なお、総会では広栄会の木下茂三会長(日清製粉ウェルナ中四国営業部長)が「広川は今年166年を迎えられ、長い歴史のある会社だと改めて認識している。後継者がおらず事業の継続を断念するという話をよく聞くが、20年に正和氏が社長に就任され、この7月からは充明氏が常務になられ力強さを感じる。これからもしっかり応援していきたい」とあいさつした。

廣川社長の話

165周年を迎えた昨年は次の170年へ向け、テーマを「始動」とした。少しずつ社内の意識も変わっている。価格改定や燃料費の高騰など、流通を商いとする者にとって大きな逆風が吹いている。24年の物流問題も懸念されるが、ルートの見直しなど様々な見直しを進めている。

地域活性化推進室は生産者との取り組みに変化が見られ、産物の収穫や流通だけでなく、原料を生かした商品提案など新たな市場や取引先との関係が生まれている。

今年度は「選択と集中」をテーマに挙げた。業務の平準化、採算販売の徹底、未来への取り組みを進めていく。また、経営企画部を新設し、食品部門だけでなくすべての事業の管理を円滑にし、新たなグループ展開を推進する。