ダノンジャパンは、このほど非営利団体BLabが運営する国際的な認証制度「BCorp(以下、Bコープ)」の再認証を取得した。BコープのBはBenefit(利益)を指し、社会や環境に配慮した事業活動において一定の基準を満たした企業に与えられる。別名「良い会社の認証制度」とも呼ばれる。ダノンジャパンでは同制度を20年に初取得しており、3年後となる今回の監査では、前回よりも24.3点高い得点で再取得した。
同社は17年から「地球の健康こそ人々の健康に繋がる」という考えのもと“One Planet.One Health”のビジョンを掲げる。
このほど開催した説明会でローラン・ボワシエ代表取締役社長は、同ビジョン実現に向けた3つの柱として
①賞味期限の長期化などで食品ロスに対応
②栄養食の提供で高齢化社会を支えている
③積極的な人材育成
――などを示し、今後もサステナブルな商品開発や人材育成を通し、25年までにグループ全社での認証を目指す方針を示した。
コーポレートアフェアーズ本部長の大楠絵里子氏は、Bコープ制度の特徴について「企業の在り方」を問われる点がユニークだと説明。日本ではまだ認知が低く、世界の7千62社に対し国内取得は27社(7月4日時点)に留まっているという。
取得メリットについて大楠氏は、「再認証の監査までの3年間で改善点が明らかになることで、より良い会社に向けて社員全員が一丸となれる」点と説明。
Bコープの評価のポイントは、ガバナンス・従業員・コミュニティ・環境・顧客の5つ。なかでも得点アップに寄与したのがガバナンス(=企業ビジョンを事業運営に組みこんでいる)で、前回から8.8ポイント向上した。
同社は社員研修を通し、ビジョンを社員個々の活動に生かしてきた。年間平均学習時間が30時間、オンオフ合わせて5万コースという豊富な学習環境のほか、健康ウェルネス実現に向けた柔軟性のある福利厚生、安全衛生に関する意識付けを喚起する短時間ミーティングなども評価された。また、経営メンバーの女性比率が50%、管理職は34%で、管理職内での男女の賃金格差が2%に留まる点や、従業員の国籍が17か国、国籍や学歴を問わないブラインド採用を取り入れている点なども評価された。