コロナボケ

アフターコロナと言われる今、飲食店、居酒屋など大変賑わっていると感じる。

▼その賑わいの話を、業務用商品を主力とする調味料メーカーの社長に話したら、その感覚こそが「コロナボケ」と指摘いただいた。時刻は夕方5時半、同社の従業員が定時で帰り始めた。同社長は「残業なく社員が定時で帰れることは良いこと」とした上で、コロナ前は定時で業務が終わることはなかったと振り返る。それだけ注文が減っているということだ。今ある店だけを見ると賑わっているように見えても、実際は飲食店の数が減り業態転換も多く、夜8時以降の客足はなかなか戻らない。

▼日本フードサービス協会の6月度売上高(全業態)は、コロナ5類移行後の単月数値となり19年比で104%だが、これはファーストフードの牽引が大きく、居酒屋・パブ業態は66%で店舗数は69%。これが回復途上の実態なのだろう。

▼それでも業務用関連各社から外食産業のさらなる回復への期待は高まる。記者として、順光、逆光、様々な角度から物事を感じ、本質を見極め伝えていきたい。