「もう揚げない!焼き天ぷらの素」 異例のヒット 少なめ油で節約ニーズ捉える 昭和産業

昭和産業の家庭用ミックス「もう揚げない!焼き天ぷらの素」が好調だ。昨年9月の発売から8か月間で販売量は当初計画を大きく上回り、「約1.8倍と好調に推移しており、今年4月には当初計画の4・4倍の売上を達成した」(同社)。

「もう揚げない!焼き天ぷらの素」は、商品名の通り、焼き調理で簡単に天ぷらが作れるミックス粉。フライパンに大さじ3杯程度の油で天ぷらが作れるという画期的な調理法がメディアで取り上げられ、話題となった。

消費者からも「めっちゃ少ない油で天ぷらができる」「とてもおいしい」「言われなければ気づかないくらい天ぷら」という声があるほど。SNSでも話題となり、「様々なオリジナルレシピをお楽しみいただいている」(同社)。

販売好調の要因は二つ。一つは、「天ぷらが簡単にできること」。油の温度管理や後処理などを気にせずに作れ、お客様からは「こういう商品がもっと早く欲しかった」「天ぷらは難しいので本当にありがたい」「ホットプレートを使ってテーブルの上で焼きながら熱々の天ぷらを食べている」などの声が寄せられているという。

そして、もう一つは、「節約志向のニーズを捉え、“少ない油”で調理できる」こと。天ぷら調理には欠かせない食用油の値上がりをはじめ、食材や光熱費などの物価上昇が続く中で、「大量の油を使わずに調理できる点が支持されている」(同社)。

開発前の調査でも、「調理後の油処理が面倒」など、大量の油を使う天ぷら調理は、作り手に様々な不満点があることが分かっており、手作りの不満点を解消し、天ぷら調理をもっと手軽なものにしたことや、相次ぐ食材値上げによる消費者の節約志向を捉えたことが、70億円で横ばいが続いていた天ぷら粉市場で、異例のヒットにつながった模様だ。

これから迎える夏商戦でも、「もう揚げない!焼き天ぷらの素」は注目。そうめんや冷やしうどん・そばの付け合わせにぴったりの天ぷらメニューが手軽に作れることを訴求し、夏場の天ぷらメニュー登場機会アップを狙う。

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