日本人が不足する栄養素 5つの有効食材を明らかに 明治が研究成果

明治は、現代日本の食生活で不足しがちな栄養素を評価した結果、たんぱく質、食物繊維、ビタミン7種、ミネラル5種が不足しがちであると明らかにした。また、茶、コーヒー・ココア、きのこ類、藻類がこれら栄養素を効率的に補う食素材であると見いだした。5月に行われた第77回日本栄養・食糧学会大会で「日本人に不足しがちな栄養素に基づいた食品分類」として発表した。

研究では、20~69歳の成人を対象に、日本人の食事摂取基準(2020年版)で摂取が推奨される栄養素の目標量・目安量などに対し、令和元年国民健康・栄養調査による摂取実態の中央値が、男女のいずれかで半数以上の年齢区分で充足していない栄養素を「現代日本の食生活において不足しがちな栄養素」とした。そのうえで、日本食品標準成分表2020年版(八訂)のデータをもとに、エネルギーあたりの栄養素の量で食品群のクラスター解析を行い、食素材を評価した。

本研究は「日本特有の食習慣や健康課題を考慮して評価する必要がある」(明治)との考えから実施された。日本では、過栄養によって引き起こされる過体重や肥満などの生活習慣病の問題だけでなく、フレイルや若年女性のやせといった低栄養によって引き起こされる問題も併存する「栄養不良の二重負荷」が大きな健康課題となっている。