パスタソース「ハコネーゼ」累計1500万食突破 東西の生産拠点を拡大へ 創味食品 山田佑樹社長

前12月期は初の売上高300億円を突破した創味食品。業務用売上が回復したほか、洋風調味料が好調に動いてコロナ前の2019年を上回った。家庭用は、発売3年目を迎えたパスタソース「Haconese(ハコネーゼ)」がけん引した。年々増える需要に対応するため、年内に本社第二工場を、25年には東日本への供給拠点となる関東工場を新設する。山田佑樹社長に聞いた。

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――前12月期の振り返りを。

山田 22年度業績は売上高315億円、前年同期比109.4%となり、創業以来初めて300億円を超えた。利益面では原料高騰の影響で当初予定よりも下回ったが、宣伝広告費を大幅に見直した結果、増益になった。

このうち業務用は、コロナ禍からの回復に加えて、近年力を入れてきた洋風調味料がけん引。売上高203億円、117%で着地。新型コロナ前の2019年比で1億円上回ることができた。

市販用は「ハコネーゼ」の新商品「ボロネーゼ」と「カルボナーラ」が堅調に推移したことにより、12月末にはシリーズ累計出荷数が1千500万食を突破するなど好調。一方で巣ごもり特需の反動により、調味酢や濃縮つゆの既存品などが苦戦した。トータルでは減少分が響いて112億円、98%となった。

――今期の販売計画は。

山田 23年は中期計画の最終年度として、売上高350億円、前年比111%を目標に掲げている。市販用では好調な「ハコネーゼ」シリーズに新製品2品を追加。7月まで明石家さんま氏の新CMを展開して、さらなる拡販を目指す。また「やみつききゃべつの塩たれ」を3月に発売。業務用「塩たれ」のトップメーカーとして、市販用においてもユーザー獲得を目指す。業務用では引き続き洋風調味料を中心に取り組み計画達成を目指す。

――需要増にどう対応されますか。

山田 本社に隣接した土地を確保することができたことから、第二工場の増設を進めている。3月から改修工事を開始し、10月に生産機器を搬入して、年内には製造を立ち上げる。「ハコネーゼ」の生産能力は2倍になる見込みだ。

また埼玉県羽生市に関東工場を新設する。敷地面積は約1万9千坪。物流センターを併設した工場になる。24年に建築開始、25年竣工の計画で進めている。当社売上の半分を東日本が占めることから、主に東日本で販売される商品を生産する計画だ。

――海外子会社のSOMI FOODSの状況は。

山田 コロナ禍からのリベンジ消費により需要は回復。さらには他社品が欠品したことにより注文が急増し、前年比165%と大幅に増加した。生産ラインのフル稼働状態が続いているので、需要の急増に対応するために建物や設備の増設を進めており、今年の夏頃には増設完了の予定だ。