東亜商事は19日、業務用冷凍食品展示商談会を都内で開催し、約1千600人のユーザーや販売店関係者が来場した。今回は94社のメーカーが春の新商品を出品。顧客現場の人手不足やフードロス対策、おいしさ、持続可能性などを提案する商品が一堂に会した。
東亜商事では3つの特設コーナーを企画。「全国ご当地逸品発見」コーナーでは、各地の特産品を紹介し、北海道や九州、沖縄などのご当地商品ではインバウンド需要の回復を意識した提案も図った。「ロングセラーヒット商品」コーナーには長年にわたり売れ続けているメーカーの業務用冷食商品が集結。売れ続ける理由を検証し、さらなる拡販につなげることを目指した。
「フルーツ&欧州スイーツ」コーナーは、新鮮なレモンやパイナップルマンゴーといった青果物の加工品や、マカロンなどのスイーツで構成。同社では外食産業の回復が進む中、女性をターゲットとした業態が活況を呈している点に着目。女性を取り込むメニュー開発を重視し、新コーナーを企画した。
メーカー出展ブースでは、岩谷産業から4月1日付で分社化したイワタニフーズの冷食ブランド「FOODS LAND」が「ポーション和惣菜」を出品。肉じゃがと筑前煮をラインアップし、下ごしらえに手間のかかる惣菜を80g、1ポーションと必要な分だけの容量にした。小袋にしたことで、取り分けの手間や調理ロスを抑える。どのパックにも具材を均等に充填した。「FOODS LAND」は、商品によっては月間1万ケース以上販売する人気ブランドとして知られている。
食肉関連企業のフーズアイでは、付加価値をテーマに食肉の一次加工品を提案。高品質ながらも規格外となった肉を使うなど、製造ロスを抑え、低価格で提供できる点を訴求した。
東亜商事の業務用食材ブランド「エスコートフーズ」でも、顧客現場の人手不足対策や調理ロス削減などをテーマに「小分け惣菜」シリーズを提案。1袋30g×10個の規格で、きんぴらごぼう、ひじき煮、切り干し大根、小松菜のおひたし、野菜のトマト煮、野菜のホワイトソース煮を揃えた。計量・盛り付け、調理の必要がなく、自然解凍でそのまま提供できる。減塩タイプのため病院食や高齢者施設の採用も見込まれる。
東亜商事冷食事業本部長の山城篤専務は「久しぶりにお客様が積極的に試食して出展社と商談するという展示商談会を開くことができた。足元は需要回復が顕著だ。今期の冷食事業は売上高600億円(前期比18%増)を目指しており、現時点でも想定通りで推移している」と語った。