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コンビニ 人流回復の追い風続くも コスト上昇は影響本番 迫る「24年問題」 対応待ったなし

人流の回復とともに業績持ち直しが進んだ22年度のコンビニ業界。今年はポストコロナの消費変化とともに、物価やエネルギー、人件費をはじめ諸コストの上昇、生活防衛意識の強まりなど不確実な経営環境への対応に迫られる。物流の2024年問題も控え、サプライチェーンの再構築に向けた機運も高まる。

22年2月期の上場コンビニ各社の単体業績をみると、6社のうち売上上位3社が増収増益。1社もなかった前期からの回復が鮮明となった。既存店業績の伸びも加速している。

「とくに都市部、繁華街、観光地での人流の回復は想定を上回る勢いをみせている」と説明するのは、ファミリーマートの細見研介社長。

「一方でエネルギーコスト上昇による電力料金値上げは6月以降が本番。コロナ収束期に入り心理が上向くのとないまぜになって、コンビニにとってはややプラスが上回っている状況。この流れをどう捉えるか、非常に難しい判断を迫られる」。

昨年来の値上げラッシュも、生活者の消費マインドに大きな影響を及ぼしている。

「売れ筋、売れる商品の二極化が徐々に進んでいる。弁当類よりは低単価のおむすび、なかでもコスパの良い高価格帯のおむすびが売れる一方で、お求めやすい価格のおむすびも売れる。真ん中のゾーンは比較的スローになっている傾向が強い」(細見氏)。

「価格と価値」のバランス追求が課題となるなか、二極化するニーズの獲得に「松・竹・梅」マーケティングを展開するのがセブン-イレブンだ。

“ちょっと贅沢”ニーズを充足する「松」として、有名店監修品やフェア商品をはじめとした高価格帯アイテムを展開する一方、「セブンプレミアム」や「セブン・ザ・プライス」といったグループPBで「竹」「松」ニーズにも応える。

迫る2024年問題に対する取り組みも本格化してきた。

ローソンでは今年12月から順次、これまで1日3回だったチルド商品と定温商品の店舗配送回数を全店で1日2回配送へと切り替える。

「品質管理の向上で実現できた。3便継続で大きなコスト増になるところを、2便化することでお客様のご評価、ドライバーの働き方改革、コスト吸収につなげる。ベンダー再編による競争力向上もあり、製造も2便体制に対応。サプライチェーン全体で改革を実行する」(ローソン・竹増貞信社長)。

セブン-イレブンは、ドライバーの待遇改善とともに、納品リードタイムや配送頻度の見直しで対応を進める考え。「地域を変えながら、あらゆるテストをしている。物流コスト改善へ、取引先とともに計画的に準備を進めてきた」(青山誠一常務)。

ファミリーマートも「16項目ほどで(物流の)削減計画を立てて実行に移しつつある。AIを活用した物流シミュレーターを一昨年に作り、前期から実用化。トラックが走るコースを約10%削減した。23年度はますます実用の度合いを深めるフェーズに入っている」(細見氏)という。

コンビニ各社の23年2月期業績
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