国分グループ 23年度の定量目標 経常利益192億円に

国分グループ本社は5日、東京・ロイヤルパークホテルで方針説明会を開催。メーカー221社221人が出席した。

冒頭、國分勘兵衛会長兼CEOがあいさつ。「創業310周年の前期は、皆さまのご支援のおかげで良い成績をおさめることができた。コロナ禍も少しずつ薄れ、DXやAIとともに新しい時代が始まっている。この動きに取り残されないように、わが社も頑張っていきたい」と語った。

國分会長は昨今の情勢を振り返り、「大量生産大量販売の価格競争から、自分の欲求に合ったものは価格に捉われずに手に入れる時代、すなわち感性の時代になってきた。社会は大きく変化し、昨年は需給関係が崩れて供給不足からコストアップ、価格改定が続いている。コストを転嫁できない企業、付加価値を創造できない企業が退場を余儀なくされることが危惧される一方で、コストと価値を適正に評価する仕組みが求められる。流通でもコストと機能に対する評価を分け、受益者負担の時代になってきた」と語った。

そのうえで、「物価上昇に対応した賃金改定が広がり所得アップと消費拡大の好循環が進めば、新しい資本主義への前進が期待できる。コストアップをDXやAI、業界の協調、受益者負担で切り抜け、自分本位ではない協調体制と消費環境に合った売場や供給網を構築し、いかに労働力を確保できるか。成熟社会においてはものをたくさん作り安く売るのではなく、品質の良いもの、価値あるものは価格が高いという概念が定着することで経済の好循環につながる。国民の前向きの志向、価値観の変化から独立の気風が生まれる」と指摘した。

國分晃社長兼COO(国分グループ本社) - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
國分晃社長兼COO(国分グループ本社)

続いて、國分晃社長兼COOが「23年度のグループ経営方針」を説明。「食の価値創造の実践と循環」を冠方針として、11次長計の4つの価値創造目標「顧客満足度№1」「共創圏の構築・拡大」「経常利益のコト売り比率30~50%」「仕事における幸福度向上」達成に向けて

①共創圏パートナーとの価値創造活動の加速。コト売りによる役務収益の増額
②顧客満足度1位
③新シンプル業務KPIを基準としたバランスの取れた経営改善
④Withコロナの働き方の確立:新目標管理の正しい運用、仕事における幸福度、グループ人事制度の進化
⑤地域ビジネスモデルの確立
⑥値上げへの対応

――の基本方針6点に注力するとした。

國分社長は「これまでにはない新たな挑戦と卸機能のさらなる強化を図り、メーカーの真のビジネスパートナーとして事業拡大、収益向上に貢献していく」と意気込みを語った。なお23年度グループ経常利益目標は当初の188億円から192億円に上方修正した。