ネーミングライツ契約によって誕生した日清製粉ウェルナ三の丸芸術ホール(群馬県館林市)のオープニングセレモニーが3日に開かれ、関係者らが参列した。
主催者の日清製粉ウェルナ取締役の石村英司氏は「日清製粉グループは1900年に当時の館林町に館林製粉を創業した。それ以来、長きにわたって地元の皆さんに工場の生産を支えていただきながら事業を発展してきた。当社の歩みは館林市とは切っても切れないもの。館林駅西口では12年から製粉ミュージアムを運営しており、日清製粉ウェルナも工場を構えグループを支えている」とあいさつ。続けて「日清製粉ウェルナは昨年1月に新社名に変更しており、館林市民に親しまれることを目的にネーミングライツスポンサーに応募した。
本事業を通じて館林市の文化活動の発展に貢献していきたい。日清製粉ウェルナを館林市の一員として応援していただきたい」と呼びかけた。
続いて来賓を代表して館林市の多田善洋市長があいさつ。多田市長は「館林製粉は、館林の名誉市民第一号の正田貞一郎氏が中心となり設立された。以来、本市は日清製粉グループとともに歴史と文化を育んできた。日清製粉ウェルナのネーミングライツスポンサーへのご応募は、文化振興を推進する本市にとって光栄の至りである」と感謝の言葉を述べた。
群馬県館林市では、新たな自主財源の確保を図るため市と契約した民間事業者に市有施設の愛称命名権を付与しており、今回で3例目。19年からは市文化会館大ホールが市文化会館カルピスホールに、20年からは城沼総合体育館がダノン城沼アリーナという愛称で稼働している。
今回の愛称使用期間は4月1日から5年間で、契約金は年間100万円。ホールは1986年に落成し、席数は512。これまで市の文化協会が主管する「芸術文化祭」や講演会、コンサート、映画上映会などが開催され、市民から親しまれている。
製粉ミュージアム 堀跡見学コースを公開
日清製粉グループが運営する製粉ミュージアムは、新たに敷地内の堀跡見学コースを公開した。
同ミュージアムは旧館林城下町の南西部に所在し、堀跡は1590年に初代館林藩藩主の榊原康政が館林城の城下町を建設した際の名残。館林城は堀と城沼に囲まれており、城下町にも土塁と堀をめぐらせていた。新たな見学コースは、城下町・館林の歴史を知ることができる遺構として紹介している。