ユニー 環境への取り組み30年 ペットボトルの店頭回収は年々増加

30年にわたって環境への取り組みを進め、環境省のエコ・ファースト企業に認定されているユニー。これまでのCSRについての取り組みを紹介するメディア向け見学会を17日、ピアゴ蟹江店と弥富リサイクルセンターで実施した。初めての試みでSDGsなどに関心が高まっている中、長年取り組むリサイクルについて積極的にPRすることで、活動をさらに促進していきたい考え。

同社では1993年ごろから愛知県稲沢市の本社を拠点にペットボトルの回収など環境への取り組みをスタートし、08年には弥富市の新物流センターの開設に伴い、弥富リサイクルセンターを設置しリサイクルに取り組んでいる。

アピタ・ピアゴの店頭ではリサイクルステーションを設置し、主に「ペットボトル」「キャップ」「アルミ缶」「食品トレイ」「牛乳パック」の5種類を回収しており、各店舗で汚れがないかチェックしたうえで重量を計測。物流センターから衣料品と住居関連品をほぼ毎日配送している定期便を活用し、荷物を下ろし空になったトラックに回収した資源を積んで持ち帰ることで物流の無駄も省いている。

店頭での回収量は、1998年は約1千tだったが、店舗の増加や環境への意識の高まりで2018年には約8千tまで増加。その後はPPIHグループとなり業態転換でアピタ・ピアゴの店舗数が減少し総量は減ったものの、各店舗での回収量は年々増加している。

配送後のトラックを活用して資源を回収 - 食品新聞 WEB版(食品新聞社)
配送後のトラックを活用して資源を回収

回収された「アルミ缶」は、リサイクルセンター内で圧縮。リサイクル工場に渡され、アルミ缶として再生。「ペットボトル」は制服やジャンパーなどの衣類や下敷きなどの文房具として再利用。「牛乳パック」は、そのほかの古紙と合わせてトイレットペーパーに再生し、「食品トレイ」は日用品のほか一部の店舗にベンチなどとして再利用されている。

同社では当初、容器が洗われずに回収ボックスに入れられるなどの課題があったが、店頭での地道な声掛けや掲示などで根気よく呼びかけることで消費者の意識を変え、現在ではきれいな状態での回収が当たり前になり、リサイクル業者からも「他の企業よりもきれいに回収されている」などと太鼓判をもらっている。

ユニーのCSR担当の池邉健太氏は「ペットボトルなどの資源は『捨てる』ではない。もっと消費者に意識を変えてもらえるように取り組み、家庭ごみの削減を進める。地球規模での環境破壊が深刻化している今日、脱炭素社会・循環型社会・自然共生社会を実現させた持続可能な社会を構築するために企業活動を通じて貢献していく」と話している。