12 C
Tokyo
11.6 C
Osaka
2025 / 12 / 08 月曜日
ログイン
English
飲料系飲料ハウスウェルネスフーズのゼリー飲料が好調 「1日分のビタミン」の機能性と「まるでスムージー」の嗜好性の両軸で

ハウスウェルネスフーズのゼリー飲料が好調 「1日分のビタミン」の機能性と「まるでスムージー」の嗜好性の両軸で

 ハウスウェルネスフーズは来期(3月期)、前期・今期と近年伸び盛りのゼリー飲料に全力投球していく。

 最注力していくのは、ゼリー飲料の拡大を牽引している「PERFECT VITAMIN 1日分のビタミン ゼリー」シリーズで、前期出荷金額は前年比18.1%増、今期着地見込みは市場の伸びを5ポイント程度上回る20%以上のプラスを見込み、勢いづいている。

 好調要因について藤堂真人事業開発二部グループマネージャーは「新しいお客様として女性やシニアの方に、生活者の手軽なビタミン補給という機能面が支持されたことが大きい。プラスアルファ―の要素としては、おいしさでもご評価をいただいている」と説明する。

 販売チャネルでは、ボリュームゾーンであるコンビニが回復傾向にあることに加えて、2021年4月にハウスウェルネスフーズの国内家庭用製品の営業機能をハウス食品に統合したことで量販店・ドラッグストアでの配荷が拡大。

 「今までコンビニチャネルがメインだったのに対し量販店チャネルを中心に広がり新たなお客様がつくれているのが1つポイントになっている」と述べる。

ハウスウェルネスフーズの藤堂真人事業開発二部グループマネージャー
ハウスウェルネスフーズの藤堂真人事業開発二部グループマネージャー

 さらなる拡大に向けては、ドリンクを含めた「PERFECT VITAMIN」全体で唯一無二の価値であるビタミン全13種類が入っている価値の伝達に注力していく。

 そのための来期に向けた施策として、“ビタミン13種全部入り”の新コピーを打ち出してパッケージを刷新。新コピーは「ビタミン全13種類入っていることが今までなかなか伝わりづらく、今回、お客様の視点で端的にわかりやすく伝えることに重きを置いた」ものとなる。

 これまで飲用シーンをメインに訴求してきたTVCMなどのコミュニケーションも刷新を予定している。「新コピーと連動させて、1日分の全ビタミン13種類が摂れるということをもう少し強く打ち出していく」考えだ。

 ゼリーの新たな動きとしては、女性とシニアの新規ユーザーが増えていることにともない開栓キャップを開けやすく改良。
 「当社の商品だけでなくゼリー飲料市場全体の課題だと思うが、女性やシニアの方から“キャップが開けづらい”というご指摘をいただくことが多く、キャップに緑色のゴム材質を加えて、さほど力を入れずにサクっと開けられるようにした」。

 開けやすい改良キャップは、テスト展開として「マスカット味」のみに採用し今年1月から順次発売している。

「まるでスムージー」2品
「まるでスムージー」2品

 「PERFECT VITAMIN」次いで注力するのが昨年3月に立ち上げたゼリー飲料の新ブランド「まるでスムージー」。

 同ブランドは、これまで機能訴求寄りの「PERFECT VITAMIN 1日分のビタミン ゼリー」シリーズでは取りきれなかった嗜好性も重視する女性ユーザーをメインターゲットに定めたもの。
 「市場拡大にともない女性ユーザーが増え、女性層の購入するアイテムの特徴としては嗜好性の高いものがトライアルとして買われることから、栄養成分も補給でき、嗜好性もあるコンセプトで開発したのが『まるでスムージー』」と振り返る。

 狙いは的中し、初動の段階でコンビニ各社に採用され女性層の午後の喫食・飲用シーンを獲得。「これまで届かなかったお客様にしっかりリーチすることができた」とし売上目標を突破できる見通しとなっている。

 さらなる成長を目指し来期に向けては、3月13日に中身・パッケージを刷新して新たに女性層の朝の喫食・飲用シーンを獲得すべく「バナナ&フルーツミックス味」を新発売した。

 「バナナ&フルーツミックス味」は既存品「パイン&フルーツミックス味」との差し替えで販売され、もう1つの既存品「ベリーミックス&ピーチ味」はおいしさに磨きをかけた。

 新パッケージは2品とも、木目調のベースに商品名をあしらうなどスムージースタンドをイメージしたデザインに仕立てられている。
「直観的にスムージーのイメージが湧き、果実がより想起されやすいように親しみやすいデザインにした」という。

お風呂上りを想起させるようなデザインを施した「C1000ビタミンレモン」
お風呂上りを想起させるようなデザインを施した「C1000ビタミンレモン」

 前期足踏みした「C1000」ブランドは昨年10月以降、日常生活におけるシーンでの訴求で巻き返しを図っている。
 「飲用頻度を高めて頂くるために、C1000ビタミンレモンが良く飲まれるお風呂上りにフォーカスし、現在は6本パックにお風呂上りを想起させるようなデザインを施したり景品付き企画として入浴剤をつけ展開。直近の12月と1月、前年並みのレベルにまで回復してきている」と語る。

 「C1000」ブランドの中で元気なのが、ドリンクの「ビタミンレモンクエン酸」とゼリー飲料の「ビタミンレモンゼリー」で今期着地見込みは「ビタミンレモンクエン酸」が13%増、「ビタミンレモンゼリー」が23%増となっている。

 「ビタミンレモンクエン酸」の好調には、コロナ禍の漫然とした疲れが背景にあると指摘。「自宅で仕事をしていても、身体の疲れ以外に何となくメンタル的にも疲れを感じられるようになり、心身のリフレッシュしたいニーズが高まっている。これに対応できたことが大きい」とみている。

 「C1000」ブランドの来期重点施策は引き続き「ビタミンレモンクエン酸」顧客接点の拡大となる。ゼリー飲料市場の拡大の波に乗る「ビタミンレモンゼリー」は引き続き「PERFECT VITAMIN 1日分のビタミン ゼリー」シリーズとともに提案していく。

関連記事

インタビュー特集

日清オイリオ久野社長 価格改定の早期完遂目指す 家庭用、中長期視点で強化

日清オイリオグループの久野貴久社長は、喫緊の課題として価格改定の早期完遂と、ホームユース(家庭用油)の販売強化に取り組む方針を示した。

J-オイルミルズ春山社長 次元の異なるコスト環境 油脂、価格引き上げ急ぐ

J-オイルミルズの春山裕一郎社長執行役員CEOは、油脂のコスト環境が悪化する中で、「価格改定の浸透を急ぐ」方針をあらためて強調した。

新潟・葵酒造、2年目は自社栽培米で仕込む 「Domaine Aoi」始動 「日本酒になじみがない方にも」青木代表

「飲むことで幸せを感じられるような日本酒を提供していきたい」と話すのは葵酒造(新潟県長岡市)の青木里沙代表取締役。昨年冬、JR長岡駅からほど近い場所に位置する創業160年超の旧高橋酒造から事業を引き継ぎいだ。

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。