手延そうめん商戦の始まりを告げる「卜定祭(ぼくじょうさい)」が5日、奈良県桜井市の三輪明神大神神社にて催された。春から本格化する商戦の盛況を祈願するとともに、昨年秋から生産されている「令和4年度産そうめん」の初売り価格を占いで決定する。主催は奈良県三輪素麺工業協同組合とその販売業者8社で組織する奈良県三輪素麺販売協議会。
過去2年続けて規模を縮小して開催していたことから、今年は地元や他産地の関係者を招待して3年ぶりに盛大に行った。大神神社で行われた神事では、宮司による祈祷や巫女の舞、各界代表者による玉串奉納が行われた。
また「卜定の儀」では、組合産そうめんの9割を占める「三輪の誉(ほまれ)」1箱18kgの初売り価格が、「安値」「中値」「高値」の中から「安値」の託宣がくだった。近年の原料小麦や資材関係の高騰で値上げを実施したこともあり、前年より800円高の1万1千800円と、過去最高価格の相場でスタートした。
本殿境内では一般客も見守るなか、組合婦人会による「三輪素麺音頭」と「三輪掛歌」を披露。その後、関係者は場所を移し大行事社、恵比須神社に参拝し商戦繁盛を願った。
小西幸夫理事長は「結果は『安値』だが、「安」にちなみ、安全安心で美味しいそうめんを安定的に提供できるように、生産者と販売業者が一丸となって頑張りたい。若い人にそうめんづくりを継承するためにも、県や市と協力しながら三輪そうめん振興に力を入れる」などと話した。