17.8 C
Tokyo
19.1 C
Osaka
2025 / 11 / 06 木曜日
English
トップニュースサントリー ビール事業60周年 あくなき挑戦掲げ集中投資 「プレモル」全面刷新へ
2025台湾食品調達商談会 in Osaka by 台湾貿易センター

サントリー ビール事業60周年 あくなき挑戦掲げ集中投資 「プレモル」全面刷新へ

前身の寿屋創立から今年で102年となるサントリーでは、ソーダなどで割って飲む「ビアボール」を昨年に投入し新需要を開拓。機能系ビール「パーフェクトサントリービール」(PSB)も昨秋の刷新で勢いづく。そして今春には、プレミアムビール市場を牽引する「ザ・プレミアム・モルツ」を全面刷新。ビール参入から60周年を迎える今年も、あくなき挑戦を続ける。

「サントリーはこれまでも失敗を重ねながら、画一的ではないビールの楽しみ方に挑戦してきた。63年に寿屋からサントリーとなり、ビール事業に再挑戦してから60年の節目。勝負の年にファンを増やすべく全社一丸で挑戦する」。12日の事業方針説明会で、鳥井信宏社長が宣言した。

業務用の回復が進んだ昨年のビール市場は、前年比推計114%。同社の出荷数量は126%と市場を上回った。

21年発売のPSBは、10月のリニューアル後、業家連動施策が奏功し、伸びが加速。「ビアボール」も業務用に続き11月からは家庭用を発売。20~40代の支持を得て、ビールの可能性拡大へ手応えをつかんだ。今年は、ビールカテゴリーにマーケティング投資を集中。発売20年を迎える基幹ブランド「プレモル」を全面リニューアルする。

華やかな香りと深いコクをより高めるため、素材や製法を見直した。

「重要原料であるダイヤモンド麦芽は香りに強い特性があり、皮の部分にそれが多く含まれることが分かった。日本の精米技術に着目し、皮だけを取り除くことで『磨きダイヤモンド麦芽』を生み出した」(常務執行役員ビールカンパニー生産研究本部長・川崎慎吾氏)。コクを高め、アロマホップの華やかな香りを一層楽しめるようになったという。

「プレミアムに求めるお客様の価値は時代とともに変遷。選ぶ際に重視する点も、外面的なステータスから内面的な自信と誇りに変わってきている」(取締役常務執行役員ビールカンパニー社長・西田英一郎氏)とみて、パッケージも装飾的なものから、しなやかさや躍動感を感じられるデザインに刷新。プルタブにブランドカラーのブルーを採用した。

プレモルブランドでは、新規ユーザーが拡大する「香るエール」、“最高峰”と位置付ける「マスターズドリーム」も刷新。計3品を2月28日からリニューアル発売する。

コロナ禍で外食の特別感が増すなか、「神泡品質」の飲食店から魅力を伝えるコミュニケーションを強化。昨年から再開した工場見学や、オンラインで展開するバーチャル型の「冒険型ビール工場体験」を通した品質訴求活動にも取り組む。

今年のビール販売計画は、家庭用・業務用合わせて前年比121%。

「(近年の傾向として)定番が前年を超えづらく、限定品、新製品が全体を押し上げている。定番であるプレモルのリバイタライズで、市場を上回ることを目指す」「10月には酒税改正(ビール減税・新ジャンル増税)もあるが、今の物価高、給料が上がらないなかでアゲンストのカテゴリーになる可能性もある。しっかり市場を見ながらやっていきたい」(西田氏)。

関連記事

インタビュー特集

カゴメ次期社長 奥谷晴信氏 国内、新たな成長軸を模索 国際、M&Aも視野に成長を

カゴメの次期社長(2026年1月1日付)に内定した奥谷晴信現取締役常務執行役員(一部既報)。アジア事業カンパニーやグローバルコンシューマー事業部、国際事業本部などキャリアの多くを国際事業に携わってきたが、21年以降は国内事業でも手腕を発揮。

ウーケ 花畑佳史社長 パックごはん、第4工場が来春本格稼働 国内外に新規拡大増やす

利便性と品質向上により、年々市場を拡大するパックごはん。最近はコメ価格高騰の影響や防災食への利用増加が相まって、需要はさらに伸びている。

明星食品 新提案「麺の明星 主食麺宣言!」 4つの軸の袋麺アレンジで食事性アップ

明星食品は、こだわりの麺技術で開発した商品ラインアップを全面に押し出し、新たに「麺の明星 主食麺宣言!」と銘打ったプロモーションを大々的に展開している。

イチビキ 中村拓也社長 豆みそ・たまりNo.1の矜持を 人口減睨み業務用・海外強化

安永元年(1772年)創業の醸造・食品メーカー、イチビキ。今年6月20日付で同社社長に就いた中村拓也氏は、98年入社。

「大豆ミート」対談 マルコメ・日本製鋼所 次世代型食品へ課題と提言

健康志向が高まり、プラントベースフード(PBF)にも関心が集まる中、2023年9月に大豆ミートメーカー5社が発起人となり、「日本大豆ミート協会」が設立された。

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点

〈持続可能性追求するアイルランドの食料生産〉シーフード編①大西洋の自然が育む恵み 海洋資源の保護に重点