「ほっかほっか亭」持ち帰り需要急増で売上2ケタ増 「大転換期、変革のチャンス」ハークスレイ青木会長

ハークスレイは、新型コロナウイルスの影響により21年3月期決算を当初見通しの売上高510億円から410億円(前期比13.5%減)に変更した。利益は黒字を維持し経常利益率は前年並みの3%を維持する計画。青木達也会長は現在の経営環境を「百年に一度の大転換期、ビジネス構造を大きく組み立て直す良いタイミング」ととらえて、中食需要増に伴う顧客層の拡大に取り組む。

昨年まで持ち帰り弁当「ほっかほっか亭」の最大の課題は人手不足だったが、社会構造の変化で店舗での人の確保には余裕ができた。ただ、これまで取り組んできた省力化はさらに加速させる方針だ。

中食・持ち帰りのニーズが非常に高まっており、4月は前年を少し超えたくらいだったが、5月は2ケタの伸びを記録した。既存店売上げは上期110%、下期は105%くらいと予想している。コインランドリーとの併設店の展開も順調に進んでおり、想定以上の推移となっている。

グループ会社で食材の加工を行うアサヒL&Cは社内供給のほか、SM、CVS、外食業者への外販を行っている。惣菜の加工受託はフル稼働しても対応できないほど受注が増加している。今年11月末に第2工場(阪神カミッサリー増設)が稼働し、2・5倍くらいの生産量になる見込み。

フレッシュベーカリーのアルヘイムは、都心部のターミナルに立地する店舗が外出自粛の影響を大きく受けている。4月の売上げは前年比55%、5月も55~60%、6月も60~70%で上期全体では売上げ半減を見込んでいる。

昨年、グループ入りした仕出し・ケータリングの味工房スイセン(東京都品川区)は、3月までは順調に推移していたが4月以降は売上げが大きく落ち込んだ。オリンピック関連の3億円の受注も次年度以降に繰り越しとなった。現在、JR駅ナカや百貨店から出店の打診があり検討を行っている。