オリーブオイル 19年度も5%成長続く 市場規模、約430億円に

19年度は金額の伸びを数量が大きく上回ったが、小売業の直輸入品など大容量タイプが増加したため。日清オイリオ、J―オイルミルズ、昭和産業の製油3社の国内充填NB品も堅調に推移しており、オリーブオイルの需要は拡大傾向にある。

健康志向を背景に、オリーブオイルのヘビーユーザーである中高年層の購買意欲が高いことに加え、かけるオイル需要など食卓でのオリーブオイルの使用シーンが広がっている。

物量では家庭用油の半数を占めるキャノーラ油など汎用油から、オリーブオイルなどプレミアムオイルへのシフトも進んでおり、小売業では売上げ・利益の取れるオリーブオイルを拡販する動きが広がっている。

家庭用オリーブオイル市場は10年前と比べて倍増し、将来の500億円市場も見えてきた。現状ではヘビーユーザーの中高年層の購入量増加とメニュー用途の広がりが市場を牽引してきたが、若年層などのエントリー層の獲得により、さらなる市場拡大が期待できる。

こうした中で、J-オイルミルズは今春、主力製品「味の素オリーブオイル」シリーズの商品名を従来のアルファベット表記からカタカナ表記に刷新。舶来イメージの強いオリーブオイルから、日常的に気兼ねなく使える身近な調味料として「味の素オリーブオイル」の提案を強化。プロモーション戦略も強化し、オリーブオイルの裾野拡大を目指す。

日清オイリオグループは「BOSCO」「日清」の2ブランド体制でオリーブオイル戦略を強化。かけるオイルの提案に加え、クセのない風味が特徴の日清ブランドを中心にライトユーザーの開拓も進んでおり、今シーズンも積極策で市場拡大を牽引する。

そのほか、CGCグループは「今年の一品」にオリーブオイルを指定。年間を通じてオリーブオイルの販促強化を進める。オーガニックなどアッパータイプの需要も増えており、今シーズンも市場は活性化が期待される。

なお、新型コロナウイルスの影響で内食需要が高まり、3月以降オリーブオイルの販売も好調。供給面で大きな問題はないが、今後の長期化も予想される中、輸出国の状況を注視し、安定供給確保につなげていく構えだ。