かどや製油 、「金印純正ごま油」などごま油製品を値上げ 家庭用は6月出荷分から 出荷価格約7-10%引上げ

 かどや製油は、「金印純正ごま油」などごま油製品の価格改定を実施する。
 ごま油製品の価格改定は13年以来、約9年ぶり。
 食用油の価格上昇が続く中で、ごま油は安定価格を維持していたが、一昨年からの搾油用ごまの原料価格高騰や円安、物流費・資材等のコスト上昇が深刻化しており、価格改定に踏み切ることを決めた。

 業務用ごま油は5月9日出荷分から、出荷価格で約7-12%の引き上げ。家庭用ごま油は6月1日出荷分から、出荷価格で約7-10%引き上げとなる(家庭用は一部商品を除く)。

 搾油用ごまの原料相場は20年夏のトン1000ドルを底値に、直近ではトン1700ドル水準まで上昇。搾油ごまの主産地アフリカでは政情不安や他作物への転作により減産懸念が強まる一方で、中国の需要回復が続いており、相場は上昇傾向にある。さらに世界的なコンテナ不足による影響や原油価格上昇による製造コスト、物流費・資材の上昇が深刻化している。

 2月28日の会見で、中山裕章取締役常務執行役員国内事業本部長は「コロナ禍の内食化傾向で、家庭用ごま油の需要は堅調に推移しているが、ここにきてコスト環境が厳しさを増している。これまで製造コスト削減や物流合理化等の自助努力で吸収してきたが、原料相場の上昇により、製品の安定供給のため価格改定を実施せざると得ないと判断した」と説明した。 

 なお、食品ごま・ねりごまについては、搾油用原料とは在庫期間が異なるため、今回は価格改定対象外だが、「今後値上げを検討していく」とした。